主食・副食と食文化の後進性
「魚食文化に関連して」:
日本人は、主食と副食という分け方をする。日本人の主食は米で、欧米人はパンであると思っている人が多いが、実際先進国に住んでみて果たして主食といえるものがあるか、疑問である。アメリカで主食(ステーブルフード)は何かという質問をしてみると、皆首を傾け、肉かなという人もあるし、ジャガイモかなという人もある。しかし、パンであるという人は極めて少ない。これが、途上国に行けば行くほど、主食がはっきりしてくる。メキシコに行けば、トウモロコシであるし、アフリカでは場所によってはタロイモ、バナナ、クスクス、米などがこれに相当する。ということは日本で米を主食と考えていたのは、日本の食生活の後進性を示しているのであり、特に最近の若者は米を主食とは考えなくなりつつあるのかも知れない。(三宅真著「世界の食文化考」)
引用元:ここには、釣りやコレクションなどの含蓄のある言葉を乗せてみようと思っています。
国・地域によっては、主食・副食という区別ができないというという指摘はもっともだと思います。
しかし、「先進国」の食事が「先進性」を持っているのか、私は疑問に思います。
コメント
へぼ さん、コメとムギの比較、パン状食品の保存性とそれによる軽食の誘発など、とても勉強になりました。
コメ、ムギ以外にイモを主とする地域もありますね。そこではどうなのか。
あるいはちょっと見方を変えて、原料でなく加工法から(たとえば粉食)においてはどうなのか、などいろいろ考えてみたいと思います。
これからも、いろいろお教えください。
ありがとうございました。
投稿者: jujube 2004年01月10日 07:27
主食・副食という概念分けをする地域はコメを主食とする日本・韓国・中国および東南アジア、そしてオセアニアやアフリカの地域にもあることがわかっています。これは、日本で「ごはん」と「おかず」というように食事を分けることにもつながっています。このわけ方をする地域の特徴は「ごはん」つまり“主食を食べる”というものいいが“食事をとる”という意味になるところです。中国でも「飯」は白米であり食事を意味する言葉になっています。
この概念分けをしない地域がムギを主とする地域です。この地域が概念分けを持たない理由は、この地域で代表的に加工されているナンやパンといったパン状食品が軽食的食事を誘発するから、という見解がでています。つまり、加工してすぐに食べなければならない米飯(というよりすぐに食べるのが一番美味しい)などにくらべ、パンは保存がきく食品であるということです。パンは一時の食事時間に食べきる必要のない食品です。ゆえに、この地域では、副食で主食を食べる、と言うよりも、お茶でパンを少量食べる、という「お茶にする」という言葉のほうにパンが表れるようになります。その結果、食事はパン状食品と飲み物およびチーズ程度、という展開が最も多くなります。一日の食事は朝食・昼食・夕食という時間を限った展開よりも、たくさんの軽食(お茶)および正餐、といったような構造を持ちはじめます。
日本でコメの消費比重が落ちているのは事実ですが、それは「おかず」が多様になってきたからのことで、「ごはん」と「おかず」の構造が崩れてきたから、では無いと思われます。
欧米以外のムギを主とする地域でも、同様に主食・副食の区別はありません。その国の状況が「先進国」とは呼べなくても、です。また、アフリカのピグミーやブッシュマンといった狩猟採集民の人々にも主食・副食の区別はありません。三宅氏はかれらを「先進国」の人々と言うつもりでしょうか。
まだ勉強不足の者ですが、駄文さしあげました。以上で失礼いたします。
投稿者: へぼ 2004年01月08日 23:48