サハラの旅から戻り、改めて砂漠の友人たちを写真に収めたいと始めた写真ブログ

ダカール探検

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瑠璃色の空、紺青色の海
大西洋を臨んで

私たち夫婦と息子は、ダカールに4年半ほど住んでいた。
しかしその後に生まれた娘は、ダカールは今回が初めて。
今朝は、妻は友人宅に残し、娘と二人で「ダカール探検」に出かけた。

タクシーと交渉し、正午まで5,000 F.CFA(約1,000円)であちこち回ってもらうことにした。
Les mamellesの灯台を見て、Almadies(アルマジ)の海岸へ。
まだ早過ぎて、みやげ物屋も、魚介類の店も、レストランも閉まったままだった。
娘はこれまでに見たことのない海の青さに驚いていた。
しばらく砂浜で貝殻を集めて遊んだ。

「海はきれいなのに、町は汚い」
娘がぽつりとそういった。
娘の血の半分は西アフリカ。
決して西アフリカを嫌いになって欲しくない。
誇りを持って欲しい。
しかし、嫌な部分だけを隠していたのでは、いつか本人が負の部分に直面した時、そのギャップに驚き、余計に西アフリカを嫌いになってしまうだろう。
だから、自分の目でしっかりと見て、良いところも悪いところも素直に感じてもらおうと思う。
ただ、偏見や先入観にとらわれず、真実(これもいろいろな面があるけれど)を見る眼差しを持てるよう親としてできる精一杯のことをしてやりたい。
「どうして町は汚いのかな?」
「ゴミがたくさん落ちてるもの」
「どうしたらきれいになるんだろうね?」
こんな会話をいつまでも続けていたいと思った。

アルマジから市内に帰る途中、OuakamとMermozの間あたりでタクシーが白煙を吹いて止まった。
待っていても何時になるか分からないのでタクシーに乗り換えることにした。
オーバーヒートしたタクシーの運転手は、自分に5,000 F.CFA払ってくれたら、別のタクシーには金を払わなくていいように交渉すると言う。
しかし、それを断り彼には2,000 F.CFAだけ渡す。
この交渉を聞いて娘がたじろいでいた。
口論に近い雰囲気だったが、セネガルでは(マリでも)こういう交渉が必要だと言うことも娘に見せるべきかと譲らなかった。

しばらく娘と歩く。
今日は雨期の雲も少なく快晴。
日差しがきつい。
娘を木陰に休ませ、何台かタクシーを止め交渉する。
町中まで500 F.CFAでいけるかと思ったが、どのタクシーも2,000 F.CFAだの1,500 F.CFAといい折り合わない。
娘は「1,500 F.CFAなら300円くらいだからいいでしょ?」と言うが、相場より高い気がして嫌だった。
何台目かで、ようやく1,000 F.CFAまで値が下がった。
それでPonty(ポンティ:市内の目抜き通り)まで行くことにした。

d0087256_7263854.jpgPontyを歩き、ウィンドウショッピング。
昔よく行ったカフェは無くなっていた。
クーラーの効いた別のカフェに入った。
室内は、ステンドグラス風の天井の照明と、テーブルの上に吊るされたコーヒーカップをひっくり返して電球を入れた照明と、水槽の光で、薄暗いが暖かみのある雰囲気だった。
娘はシャーベットを、私はミルクシェークを注文した。
お互いに頼んだものを味見したり、二人でとりとめのない会話を楽しんだ。
それから独立広場のまわりをしばらく散歩した、昼近くになったので友人宅に戻った。

d0087256_7272876.jpg昼食は、ミレット(トウジンビエ)のト(穀類を挽いて粉にしたものを湯がいた餅状のもの)とオクラのソースとトマトベースの肉ソースだった。
一つの皿を囲みみんなでトを食べる。

午後は、お茶を飲みながらのんびりと過ごした。
妻は、友人夫婦と楽しそうに話しているが、ふっと暗い陰がよぎる。
母が死んだばかりだ。
当たり前だろう。
疲れも見える。
友人夫婦との会話は心を癒してくれているのだろうが、バマコに着くと、母の死に改めて向かい合わなければいけない。
その前に、どうしたら妻をできるだけ休ませてあげられるのだろうか。
それがいい方法かどうか分からないが、セネガル最後の夜はホテルに泊まることにした。
友人夫婦にお礼をいい、タクシーで空港に近いホテルに向かった。

ホテルの部屋は、冷房が効き清潔だった。
テラスから、雲の合間に沈む夕日を眺める。

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家族水入らずの静かな一時。
バマコでは、大家族の中での暮らしになる。
こんな静かな夜はきっとないだろう。

(最後の写真はEF70-200mm F2.8L IS USM + EOS 5D)

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コメント(18)

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タクシーも日本みたいに上等じゃないですね。
私もインドで乗っていた車のエアコンがきかなくなって、
困りましたが・・・すぐ、シートにまだビニールのかけられた新車が来て助かりました。

お料理も珍しいから、味見したいです。
何でも食べてみたい・・・。

ダカールの海、空の美しさから程遠い町の汚さ・・・
娘さんも夏休みにいろんな貴重な体験をされましたね。

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biwakokayoさん、

マリ料理の香辛料、ダンボール一箱持って帰ってきました。
ぜひ一度我が家に食べにきてください。

娘の苦労は・・・まだまだ続きます(汗)

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昔、ニジェールから来た留学生は、確か豆を使った料理を
作ってくれました。
レシピはあるのですが、全部英語だし、その字が、、、はは、読めない。
ぐぐっ、、アルファベットすらはっきりと理解出来ないくらい
走り書きです。自分で、聞きながら書けば良かった。反省です。
あまり辛くなかったと覚えています。
でも、具材を集めるのも大変でしたけど、美味しかったなぁー。
同じ西アフリカでも、随分違うんでしょうね。

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かよちん、
ニジェールの公用語はフランス語ですから、彼(女)のアルファベットは、フランス風の書き方かもしれませんね。
それだと日本人にはとっても読みにくいと思います。

マリの遊牧民の料理も辛くないですよ。
辛いのは農耕民の料理ですね。

国というより民族や地域で料理が異なりますね。

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雲を見ると異国だと感じますね。
海は何処でも美しい。

娘ととりとめもない会話を楽しむ・・・・。
我が家では喋る事もなかなか思い浮かばなくて・・・(^_^;)
あ、パソコンやデジカメの話はするか・・・。今中2です。
携帯電話を欲しがって困っています。(笑)

jujubierさん、お住まいは? マリの料理を食べさせて下さい。(^_^;)

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inamokuさん、
家の娘はまだ小4です。
息子がマリから一緒に来て、今、娘は息子にべったり(涙)
娘が結婚する時の寂しさが少しわかった気持ち(笑)

住まいは三重県北部です。
毎日食べてますから、お時間のある週末、遊びに入らしてください。

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MIXIから飛んできました。
うちのちび子(3歳児・セネガルミックス)と将来同じような旅をして同じような事を考えるんだろうなあ・・と思いながら見ていました。なかなか行く機会のないダカールですが、上の写真の海は2002年夏に泊まったカラウからみたものに良く似ていて懐かしかったです。

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三重ですか、なんとか車で日帰り出来る距離ですね。
あ、私は兵庫県南部です。
ふふふ、遠慮を知らないので本当におじゃましますよぉ〜。(笑)

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ディアコさん、
いらっしゃい。
お子さんは本当にかわいい盛りですね!

セネガルの海、ずいぶん違った雰囲気で、何故かこの後まだ出てきます。
ご期待ください。

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inamokuさん、
泊り込みでも大丈夫ですよ〜

1月〜4月頃は、仕事で西明石に月に2回くらい行きます。
近いですか?

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あ、いなやん、いいな〜。私も行きたひ(T-T

ところで、カメラがなくて禁断症状とは、非常に危険な状態ですね。
出来るだけ早い特効薬の投与をお勧めします(^^;

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あー、そんなこと言って頂くと本当に泊まり込みで・・・(^_^;)
数年前にウエブ仲間のお世話になって旅したこともあって、
富士→東京→群馬→新潟とお世話になりました。(^_^;)

西明石ですかぁ。
近いですよぉ。混まない時間帯なら車で25分くらいかな。
ぜひお声をかけて下さい。(^_^)

もしお時間のある時がございましたら、遊びに来いよぉ〜と
声を掛けて頂けたら遊びに行きますです。(^_^;)

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TAKE Cさん、
週末、ハラール肉(冷凍のヒツジの脚発見!)などの買い出しで名古屋に出た折、カメラ屋があったら素通り出来ませんでした(汗)
GR Digitalいいな、中古のCLEもいいな、とグラグラ来てましたが、なんとか理性を保つことが出来ました。
あ、隣にいた妻が私の理性だったんですが(笑)

うふふ
5Dとレンズたち昨日帰ってきました。
5Dは単純な分解・清掃だけでなく、
・ホットシューの変形→交換、
・サブダイヤルの動作不良→背面部交換
・ピントの再調整
となってました。
できる限り丁寧に扱いましたが、でもカメラの保護よりすぐに撮れることを重視したので、結構無理がかかっていたのでしょうね。
防塵・防滴仕様のレンズは帰国時にはジャリジャリで、防塵といってもこんなものかな〜とちょっと不安になりました。
でも考えてみれば画像には影響なかったので
・砂の進入はピントリング、ズームリング内まで
・その中は密閉、レンズは大丈夫
ということなのでしょうかね。
撮影テストはこれから。

そうそう、iMac 24"もマックストアで見ました。でかい

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inamokuさん、
はい、ホント遠慮なくどうぞ。
嬉しいことにわりといろいろな方が泊まり込みできて下さるので、シャワー付のお客さんの部屋を作りました。
LAN回線のジャックも付けてあります。
家からブログ書けますよ(笑)

マリ人で数か月居候していた人もいます(笑)
日本人でも、泊まり込みで遊びに来てくださる方います。

でも今お客さんの部屋、半分マリの物品等の倉庫と化してるな・・・(片づけようっと)

セネガルにいた時は、「最近我が家に人が多いなあ」と食客の数を数えたら30人以上いました(汗)

今週末は、娘の運動会。
雨で順延しそうで予定が立てられません(涙)
その後、空いてる週末のお知らせをしますね。
西明石に泊まる時は連絡しますね〜

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人が真面目に仕事してる間に西明石オフの話出てるし(笑)
もちろんボクも呼んで下さい!
ちなみにボクも遠慮と言う言葉を母のお腹に忘れてきたので家に来てもいい、と言われると本当に行くタイプです(笑)

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さこやん、お忙しそうですね。
西明石に行くのは1月以降です。
お時間が合ったらお付き合いください。

でもカメラは素人だし、みなさんとお話やノリがあうかちょっと心配。
我が家なら、遊牧民の写真集とか、マリの料理や物品の話で尽きませんが。
ということで、最初はやっぱり我が家に来ていただけると人見知りの激しい(と人に言われたことは一度もないが)私は安心です。
遊びに来てくださいね〜♪
近くだと、秋の御在所(ロープウェイで登る)とかもきれいですよ。

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言われるときちゃうんだ、さこやん( ̄ー ̄
ぢゃ、ドーハの我が家に来て下さいね〜。うぇるかむ〜。

ところで、カメラは素人とか言ってる人はどこのどなたですか(-_-;
人見知りが激しいって誰ですか(-_-;

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たけやん、
> カメラは素人
写真を撮るの大好きだし、いろいろなカメラを使ってきました。
でも技術的なことは、これまで全然勉強しないままでした(反省)
たけやんやみなさんのブログに書かれていることや、何より撮られた写真を見て勉強してます。
> 人見知りが激しい
確かに、これはちょっと言い過ぎたかも知れない(汗)
ちょっとね(笑)

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このブログ記事について

このページは、Yoshinori FUKUIが2006年8月 1日 09:02に書いたブログ記事です。

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