サハラの旅から戻り、改めて砂漠の友人たちを写真に収めたいと始めた写真ブログ

砂嵐

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津波のような
砂と風の塊が
近づいてくる

姉夫婦の家に戻り、家族と過ごす。
ふと空気の質が変わったことに気付く。
屋上に上ってみる。
青空が広がっていたが、東の空だけ雲に覆われている。
その雲が見る見るうちに広がってゆく。

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地平線から大津波のように茶色い雲の壁が迫ってくる。
砂嵐だ。

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娘を呼んで砂嵐の到来を見せる。
空気が次第にざわつき始め、砂ぼこりが舞い始める。
娘は早めに避難。

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しばらく写真を撮っていたが、砂が舞い始め、カメラが心配になり私も下に降りる。
強い風が来て、砂の津波に飲み込まれた。
急激に涼しくなる。
荒い砂が狂ったように俟っている。
ターバンを巻き直す。

d0087256_1917320.jpgしかしそれほどひどい砂嵐ではなかった。
「黒い風」と呼ばれる最も強い砂嵐の中は真っ暗で自分の手も見えない程だ。
砂がヤスリのように肌を擦ってゆく。
今日の砂嵐は中程度の「赤い風」。
景色がオレンジ色になった。

この地域では砂嵐は、雨期の気象現象で、砂嵐雨を運んでくる。
強い雨は、砂嵐の直後に降る。
だから砂漠の真っ只中で砂嵐に出会うと、砂の上の人や家畜の足跡や轍がかき消されてしまうので非常に厄介だが、
雨をもたらすものとして、それほど嫌われているわけではない。
砂漠の砂は、汚いものだとは思われていないので、体に付いたら叩くだけ。
家の中に砂が積もったら掃き出すだけだ。

しかし今日の砂嵐は、砂だけで終わってしまった。
雨はもっと南の地方に置いてきたようだ。
南の方で雷が鳴っている。

1時間くらいで、少し弱くなった風は吹き続けているが、砂嵐が収まった。
日没後、屋上に上ると、雲の広がる南の空で稲妻が走っている。
涼しい風が気持ち良いので、空を見ながら横になっているとまた風が暴れ始めた。
なんと二度目の砂嵐だった。
今度の砂嵐は、横殴りの雨を運んできた。
強い雨がしばらく降っていた。
しかしその雨も30分程で止んだ。
居間の前の屋根のある広いテラスで食事。
食事の後、お茶を飲みながら話をしているうちに眠くなってくる。

テラスの端に蚊帳をはり、マットレスを敷いてもらい横になる。
息子は近くのいとこの家に泊まりに行ったそうだ。
大きな蚊帳の中、妻と娘と川の字になって眠った。

(6枚目はOptio W10)

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コメント(7)

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砂嵐ってすごいですね。
砂漠でこれに出会ったら目や耳や口に砂が入って困るでしょうね。
砂が体に入ることによる病気と言うのはありますか?

私は桜島の火山灰を思い出しました。
窓を閉めていても隙間から入って室内がざらざらでした。

SECRET: 0
砂漠の民にとって、砂は決して汚いものではないです。
トンブクトゥあたりでは、砂を篩でふるって、きれいなものを中庭や家の中にも敷いたりします。
赤ん坊は、砂の上で生まれ、砂の上を這い、砂に囲まれて大きくなります。

ラクダで旅している時、何度も砂嵐に襲われました。
そういう時は、ラクダを座らせ、それを盾にして毛布を被ってひたすら耐えます。
砂漠では、砂嵐のよりその雨が鬱陶しいですね。
ずぶぬれになりますから。

砂が口に入っても問題ありません。
砂漠の料理は、少なからず砂入りです(笑)
トンブクトゥのかまどで焼くパンは、砂の量で、
「これは今日のパンじゃんなくて、砂混じりの風が吹いた昨日作ったパンだな」
とかわかったりします(笑)

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>これは今日のパンじゃんなくて・・・ん・・・不要
篩(ふるい)・・・読めない人が多いでしょうからかなを・・・、
読めないだけでなく、篩を知らない人もいるでしょうね。(笑)

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biwakokayoさん、
ご指摘どうも!
もうちょっと気をつけて書きますね。

SECRET: 0
こんばんは。
なんだか驚愕です。目をさらにして上から下まで拝見しました。
全く未知の世界。
こんな風にやってくるんですね、砂嵐って。
でもただただ慌てふためくのではなくて、ちゃんと距離を知っているその
感覚が凄いです。
砂の中は真っ暗、想像もつかないし、このオレンジ色の世界も
ひたすら「ええーーーっ」って驚くばかりです。

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ナギヲさん、
砂嵐、すごいでしょ!
いつか一緒に砂漠に行きましょう。
暑かったり、寒かったり、痛かったりするけど、楽しいです。
え?
何で痛いか?
今までにサソリに3回刺されてます(笑)
でも、また砂漠に行きたい♪

SECRET: 0
えええええーーーーーーっ!!
さそり?さそりですかっ?
こちらに伺うとそのたびに驚愕(笑)
良かったですご無事で。
でもそれでも行きたいと仰る、本当に魅力的な地なんですね。
それが良くわかります。

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このブログ記事について

このページは、Yoshinori FUKUIが2006年8月18日 21:08に書いたブログ記事です。

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