サハラの旅から戻り、改めて砂漠の友人たちを写真に収めたいと始めた写真ブログ

グンダムの朝

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古くなって擦り切れ、破れた衣服
近くの木の枝
草を撚って作った紐
編んだ茣蓙
家畜の皮を裂いて作った紐

強い陽射しの日中
いろいろな作業するために作られた
屋根だけの日よけ小屋は
そんなものでできている

あらゆるものが
何度も何度も
大切に使われる
砂に戻るまで

d0087256_549421.jpgいつものように日の出前に起き出す。
日の出前のひんやりした空気が心地よい。
昨晩の雨に冷やされ風が冷たい。
屋上で空の色が変わっていくのを眺める。
頭上には細い月がかかっていた。
次第に赤くなってくる空は、いつまで見ていても目が離せなかった。

d0087256_5495621.jpg d0087256_551511.jpg朝食は、昨日私たちのために犠牲にしてもらったヒツジの頭と脚の煮込み。
大好物が出て満足。

朝食後、また屋上に登りのんびしていると、7時頃、姉の旦那が眼下、家の裏手の牛舎で何やら作業をしている。
仔ウシたちがそろそろ乳離れの時期なので、乳離れさせる道具を仔ウシに付けているところだった。

d0087256_5514048.jpg口の周りに大きな刺の輪を取り付ける。
仔ウシが母ウシのミルクを飲もうとすると、母ウシが痛くて逃げ出し、仔ウシはミルクが飲めないというちょっと過激な仕組みだ。

妻やバマコから一緒に来た妻の妹と、近所の親類の家に挨拶に出かける。
息子が昨日の晩泊まった家だ。

d0087256_5531868.jpg d0087256_5525121.jpg d0087256_5541280.jpg遊牧民出身の家族の家らしく、敷地内のテントが張られている。

トゥアレグやアラブの遊牧民出身の家族は、例え町に定住しても、決してくずさないライフスタイルがある。
いくら立派な家を建てても、広い敷地内にテントを張り、結局丸一日そこで暮らしていたりする。
風の通らない家の中より、砂がまっても外の方がずっと居心地が良く落ち着くのだ。

女たちはテントの中で、世間話に花を咲かせている。
男たちはその横でお茶をしながらのんびりしている。
お茶を飲みながら、ゆったりとした時間を過ごす。

昔ながらの道具がいくつかあったので記録写真を撮る。

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揺りかご

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ヤギの形そのままの水嚢

昼近くになり姉夫婦の家に戻る。
昼食は、ヒツジ肉を煮込み臼でついた遊牧民の歓待の料理アレバッジャだった。
ウシのバターをたっぷり掛けて食べる。

(2枚目、3枚目はEF50mm F1.4 USM + 5D)

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コメント(2)

SECRET: 0
>あらゆるものが何度も何度も大切に使われる砂に戻るまで

こういう暮らしばかりならゴミや環境汚染なども問題にならないでしょうね。
テントを張るのも曲がっていて長さの揃っていない棒を
上手に使ってあるし、いろんなものが工夫されてできているのに驚きます。
物がなければ工夫するのは当たり前ですね。(笑)

朝焼けがとてもきれいですがこれは雨上がりだからでしょうか?
フィルターを通して見るように色が鮮やかです。

SECRET: 0
はい、
朝焼けの写真は、思い出の色に変えています(笑)
このブログの中で唯一Photoshopで大きく色を変えた写真かな。
他はほとんど、CANON純正RAW現像ソフトDPPで、ホワイトバランスと露出とシャープさをいじっているくらいのはずです。

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このブログ記事について

このページは、Yoshinori FUKUIが2006年8月19日 13:34に書いたブログ記事です。

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