昨晩、寝ていると蚊帳の外から挨拶が聞こえた。
男が2人。
蚊帳から出てしばらく挨拶(トゥアレグの挨拶はとても長い)。
妻はまだ、向こうの砂丘の上で女たちと話し込んでいるようだ。
男たちとしばらく世間話。
いつバマコに着いた
弔問の様子がどうだった
いつバマコを出た
途中の雨と牧草はどうだった
このあたりの家畜の様子はどうか
などなど・・・
頭の中は完全に睡眠モードで、受け答えしているのみ。
ターバンを巻いているし、星明かりだけではそのターバンや服の色もまったくわからなかった。
昼間ひとり挨拶した若者がいたが、今いるうちのひとりが彼かどうかもわからなかった。
そんな状況でしばらく会話をしていたが、あまりに眠いので詫びを言い、また寝た。
雨で濡れた砂丘の上で迎える明け方は、夏とは思えないくらい肌寒かった。
シーツのような薄い毛布を頭まで被った。
夜明け前、蚊帳から抜け出し裸足で歩くと、冷たい砂が気持ちよかった。
親類の男は、搾りたてのウシのミルクと(飲む)ヨーグルトを持ってきてくれた。
火の通っていないミルクなので一瞬悩んだが、うまそうなのでそのまま飲んだ。
久しぶりに、これこそウシのミルク、という味と匂いのミルクを飲んだ気がした。
作り立てのヨーグルトもうまかった。
娘には、大事を取ってミルクを暖めてもらった。
男は、夕食を食べなかった私や娘のために、早朝もう一度飯を炊いてくれていた。
それをご馳走になり、お茶を飲んで一息入れる。
妻は、私たちの到着を聞いて集まってきた女たちと、砂丘の上で井戸端会議。
子供たちは砂遊びを再開。
飛んだり跳ねたり、穴を掘ったり、思う存分遊んでいる。
挨拶しているうちに昨晩の2人だとわかった。
そのうちのひとりが、私のウシの世話をしてくれている男だった。
彼のテントはすぐ近くだというので、テントに行ってみることにした。
砂丘を越えてしばらく歩く。
するとアルバニヤ(木綿の帯を縫い合わせたテント)が一張。
ふたりのうちのひとりの男の妻や子供たちがいた。
テントの周りには、たくさんのヒツジとヤギが休んでいた。
もうひとりの男はそこから数百m離れたところにアハックーム(なめしたヒツジやヤギ革を縫い合わせたテント)を張っていた。
その彼が、他のウシから私のウシを分けて見せてくれた。
「昨年私のウシは6頭いた。
今年、彼は病気を患い、子供たちにウシの世話をまかせてグンダムの病院に行った。
雨期が遅れ、食べる草が十分になく、彼が帰ってくる前にそのうちの2頭が死んでしまった。
今、私のウシは成牛が3頭、仔牛が1頭。
3頭の成牛のうち1頭は比較的若いが、あとの2頭は歳をとってきた。」
男はそう話した。
「牧草の豊富なこの時期に歳をとった2頭をできるだけ太らせて、売り払い、仔牛を2頭か3頭買おう」
かれのところでまたヨーグルトを飲ませてもらい、しばらく写真を撮らせてもらい、それから妻や子供たちのいるところへ戻った。
ティロキエンにもう1泊しようかとも思ったが、今回是非行きたい場所があと3か所あった。
2か所はすぐ近くなのだが、1か所は100kmほど離れている。
また雨が降ると行けなくなってしまうかも知れない。
そこで雨が降る前に一番遠いところに行っておき、雨や道の状況を見て、復路の途中で可能なら残りの2か所に立ち寄ることにした。
そう集まっていた人たちに説明し、ティロキエンを出発することにした。
SECRET: 0
4枚目の男性の笑顔が素敵ですね。
どんな会話をされていたのでしょう。
あいちゃんとお兄ちゃんの楽しそうな砂遊びですね。
お兄ちゃんの宙返り・・お見事。
それを写真に撮るのも楽しかったでしょう。
SECRET: 0
ありがとうございます。
彼は本当に陽気な男で、冗談ばっかり言ってました。
そうそう、話の流れで仔ラクダを1頭もらえることになりました。
その仔ラクダは、お世話になっている名古屋の旅行好きの友人のものとして、いつか彼の家族がマリに来るまで預かってもらうことになりました。
biwakokayoさんもラクダ1頭どうですか(笑)
そんなに高くないですよ。
仔ラクダなら1頭2万円くらい。
大きな良いラクダで6〜7万円くらいです。
子供たちは砂の上で本当にやりたい放題遊んでましたね。
井戸を掘るシャベルまで借りてきて穴を掘ったりしていました。