これで今回の江蘇省(錦渓と同里)と上海の写真は終わりです。
お付き合いありがとうございました。
以下、今回の写真についての雑感を。
1. 写真のセレクト
前回(6月)の江蘇省(蘇州と周荘)の時は、後で見返して、だらだらとたくさんの枚数をアップし過ぎたと反省。
旅から戻った直後はまだ旅の余熱が残っていて、ついつい贔屓目に写真を選んでしまう。
もっと客観的に・・・いや、客観的になる必要はないか、もっと自分に厳しく写真を選べるようにしなければ、と自戒。
そんなわけで、
6月の中国 33枚
10月のフランス 29枚
に対して
11月の中国 20枚
と枚数を抑えた。
しかしそれぞれ分母(撮ったカット数)が違うから、これだけでは写真をしっかり選んでいるとは言いきれない。
枚数でどうこうでなく、本当に見て何か感じてもらえる写真を、しっかりと選べるようになりたい。
というわけで、見てくださっている方、ちゃんと反省できるように忌憚のないコメントをよろしくお願いします。
2. 縦構図の多用
今回、選んだ写真を見返して驚いたことがある。
選んだ20枚の内、16枚も縦構図だった(80%)。
ちなみに、前回の江蘇省では、33枚中縦構図は12枚(36%)、パリの写真では、29枚中7枚だった(24%)。
狭い路地を多く撮っていたためだろうが、それでもこの割合は多いなあ。
この変化は、単純に構図や被写体に拠るものなのか、レンズに拠るのか、自分のスタイルの変化なのか。
まあこれは、どんどん撮っていかないとわからないことだろう。
3. テーマの処理
「古い街並み」は、その場で見たイメージ、撮りたいと思った絵に近いものは写せたと思う。
しかし、それ以上のものにはならなかった。当たり前か(笑)
現像した写真を見て、ドキドキする1枚がなかった。
一瞬の面白さはあっても、誰かの心に残る1枚には成り得ないだろうな(涙)
「雨」については、どう表現したらいいのか、わからないまま1日を終えてしまった。
水滴、波紋、水溜り、濡れた道、傘・・・
ありふれたイメージを越えた表現が全くできなかった。
凹んでしまった・・・
4. 露出
露出については、シーン毎に露出計(フォクトレンダーのVCメーターII)を使って目安を決め、イメージにあわせて露出を調整。
あまり薄暗いところでない限りまず絞りを決め、露出計の値を目安にシャッタースピードを調整した。
完全に絞り優先だった。
ポジフィルム中心だったので、現像が上がるまで結果にはドキドキしていたが、大ハズレはなくて胸を撫で下した。
しかしこれは、自分の技術というよりVCメーターIIの性能に拠るところが大きい。
上海では露出の決め方を変えてみた。
撮り始める前に一度露出計で目安を決めたら、後はまったく光を測らなかった。
曇天の日陰で、露出計の値はf/5.6、1/125秒だった。
晴天時から5〜6段落ち。
これを目安に、ファインダーを覗く前に絞りとシャッタースピードを変えておき、構えたら構図を決めてシャッターを押すだけ。
ノーファインダーでシャッターを切った写真も何枚かあった(満足できるものではなかったが・・・)。
このスナップショット的な撮り方だと、あまりピント合わせに時間を掛けたくないし、被写界深度もしっかり取りたいので、絞りは5.6〜8あたり。
とはいっても被写体ブレを狙わない限り、シャッタースピードもあまり落したくないので、シャッタースピードと絞りの両方を調整して撮っていた。
この撮り方は気持ちがよかった。
リズム良く写真が撮れた。
このスタイルをもっと使えるようにしよう。
5. レンズ
今回使ったのは、初期固定銅鏡のSummicron 50mmだけ。
NOCTILUX 50mm f/1も持っていったのに1枚も撮らなかった。
今回夜の撮影がゼロだったからなあ。
昼間ならSummicronで充分だ。
Summicron 50mmは、M8ととても相性のいいレンズだ。
(無限遠のストッパーで、無限遠あたりの微調整は難しいけれど)
古いレンズなのにコントラストが高く、(NOCTILUXのような艶はないけれど)とても「強い」写真が撮れる。
M3では、M8の時のような「強さ」は感じないけれど、どのフィルムとも違和感なく撮れていた。
ただ高感度のフィルム(PROVIA 400X)よりPROVIA 100F、Velvia 100F/50の方がいいかな、と感じた。
M3では、
Summicron 50mm f/2 (rigid 1st)
C Sonnar T * 1.5/50
NOCTILUX 50mm …