サハラの旅から戻り、改めて砂漠の友人たちを写真に収めたいと始めた写真ブログ

ニジェール川を渡る

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ニジェール川の朝
5時28分、日の出前
静かに船が走ってゆく

生きるための営みが始まる
ISO1600、F2.8、手持ちでシャッターを切る
一日の始まりの鼓動が伝えられただろうか

朝5時前に目が覚めた。
まだ黒糸と白糸の区別もつかない時間。
誰も起きていない。
プラスチックのやかんの水で顔を洗い、川沿いを散歩する。
日の出はまだ遠いが、夜の帳がゆっくりと上がり始める。
思いきり増感してシャッターを切る。

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礼拝していると、人々が起き出した。
車を点検していると、左後輪のタイヤがパンクしていた。
ジャッキアップし、予備のタイヤと交換。
しかしここでちょっとトラブル。
予備タイヤは盗難防止にチェーンで施錠してあったが、砂の所為かオイルを染み込ませても錠が開かない。
仕方がないのでチェーンを切断して予備タイヤを外す。

6時、トンブクトゥのある北岸西の方から、微かにエンジンの音が聞こえる。
朝一番のフェリーがやって来た。
フェリーが岸に着くと、荷台に大勢の人を乗せたランドクルーザーが2台降りてきた。
このフェリーにはメルセデスのトラックが1台乗り込んだ。

d0087256_0352666.jpg d0087256_0354272.jpg最初のフェリーが岸を離れると、すぐにもう少し大きなフェリーが着いた。
旅行者の乗るパジェロとパトロール(サファリ)と、アラブ商人のランドクルーザーのピックアップの3台が降りてくる。
パトロールは、フェリーと岸の渡し板の傾斜が急なため、降りる時に後ろのバンパーを地面に擦っていた。

d0087256_036013.jpgなんとか降りた後も、その車重からかスタックしてしまった。
最後に降りてきたアラブ商人のランドクルーザーは、重い荷物を積むために後ろの板バネを増やしているのか、車高があげてあった。
その車は軽々とフェリーを降り、軽やかに走り去った。
同じトヨタの四輪駆動車でも70系は120系プラドと基本設計が全く違う。
砂漠で一番安心して乗れる車ではないだろうか。

VWのトゥアレグをバマコでも何台も見かけた。
マリでも今注目されている四駆だ。
しかし、こんな話を何度か耳にした。
トゥアレグがデビューして間もない数年前、「砂漠のフェスティバル」を見るために、外国人がトゥアレグ2台で乗り込み、注目を集めた。
しかしドライバーが車を過信したのか、1台はエンジンが火を吹き、1台は動かなくなってしまい、2台とも牽引されて南のバマコに戻った。
そんな話もあり、マリの砂漠では、今もトゥアレグよりもランドクルーザー70系の方が遥かに評判が高い。
一方で120系プラドは、乗り心地はいいが、悪路の走破性での評判は残念ながら良くなかった。

d0087256_0364729.jpg d0087256_0371082.jpg私たちが一晩明かした南岸の渡し場には、フェリーを待つ人たちのレストランの藁葺きの小屋が数軒あるだけ。
右の写真はトラックを載せた朝一番のフェリー

d0087256_036332.jpg d0087256_0362147.jpg私たちは、ロングシャーシのワゴン式ランドクルーザー2台と共にこのフェリーに乗り込んだ。
岸辺までせり出した砂丘、岸辺の漁師の小さな家、ピロッグと呼ばれる船外機の付いていない、木製の細長い小舟の傍らを通り過ぎて行く。
船旅は、流れを遡っている所為か、思ったより長く小一時間掛かった。

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北岸では、沢山の車がフェリーを待っていた。
南岸と違い、こちら側は活気がある。
セメントが打った岸壁も作られている。
岸辺には、燃料に使う薪が沢山積まれていた。
小舟に積まれ、岸辺にすむ人々に売られるのだろう。

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フェリーを降り、トンブクトゥに向かってアスファルトの道を車を走らせた。

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コメント(5)

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1枚目の静かな朝の始まりがとってもいいですね。
大きくして飾りたいです。

舟を操る少年の逞しさ・・・日本の子供と比べてしまいます。
踏ん張った足に自然の中で生活していくきびしさも
感じますが、そこに住む幸せもあるでしょう。

川の中の緑の草はおいしそうに見えて食べられそうにみえるのですが・・・。

砂漠でパンクして予備のタイヤに替えると
次にパンクすると困りますね。
冷や冷やしそうですが・・・。(笑)

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カギコメでのご指摘ありがとうございました。
ご指摘は記念と自戒の念を込め、残しておきます。
推敲せず勢いで一気に書いているので、誤字脱字など結構あると思います。
今後とも校正宜しくお願致します(笑)

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予備のタイヤまでパンクした時は、自分でパンク修理します。
自転車のパンク修理のように、中のチューブをヤスリでこすって、接着剤でパッチを張ります。
それ自体は対した作業じゃないんですが、ホイールからタイヤを取り外すのと、修理後はめ直すのは結構大変です。
最初慣れず、理屈がわからず、砂の上で作業したら、タイヤとチューブの間に入った砂でまたすぐにパンクしてしまいました(大汗)
それからは、地面の上に板を一枚敷いて、その上で作業するようにしました。

砂漠では、チューブレスタイヤでもチューブを入れます。
タイヤを突き抜けるような大きくて太い棘を持つ木があります。
ラクダはそんな木の棘も平気で食べてしまいますが(驚)

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沙漠を縦横無尽に走るのに、70系の右に出る車は未だにありませんね。
車体の軽さと大容量の2タンクで、丸1日安心して走れると、
湾岸のベドウィン親父たちも絶賛しています(笑

それに比べてここ数年発売された四駆はいずれも頼りないというか物足りないというか、
モデルチェンジの度に豪華になるばかりで、走破性はますますスポイルされている気がします。

SECRET: 0
たけやん、
舗装道路ではラクチンだけど、本格的に砂漠に出るのは心配な車ばかりですよね。

思い切ってラクダに乗り換えましょうか(笑)
それはオートフォーカス・レンズから敢えてマニュアル・レンズにするようなものでしょうか(違う?)

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このブログ記事について

このページは、Yoshinori FUKUIが2006年8月18日 07:41に書いたブログ記事です。

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