サハラの旅から戻り、改めて砂漠の友人たちを写真に収めたいと始めた写真ブログ

即時性と記録について

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5月16日、渥美半島遠州灘

寄せては返すあの日の波の音
湿った風の匂い
写っていない何かまで写真が呼び起こす

フィルムカメラだと、写真を現像に出してスリーブが戻るのは数日から1週間後。
それから気に入った写真を選び、そのプリントを手にするのはさらに何日も後だ。
それを人に見せるとなると、写真を撮ってから一か月以上経っていることも珍しくないだろう。

それがブログでは、写真は撮ったら当日か翌日には出さなければという強迫観念のようなものがあった。
それはクロニクルなブログからこの写真的なブログへ移ったのだが、デジタルカメラで「その日のうちに見せられる」故に、ふたつのブログの性質の違いを考えていなかったからだろう。

しかし即時性に価値のある報道写真でもないなら、撮った写真をその日に見せる必要性なんてまずない。
日記ブログにその日の写真を載せるのは、確かにひとつのやり方だが、読み手がそれをその日のうちに読んでくれるかどうかもわからない。
それに遡って日付を付けることもできる(事実、昨夏のサハラ砂漠の旅の記録はそうやって書いていた)。
自分でデジタル現像するならば、撮った時の感動や色を忘れないうちにと、記憶のはっきりしているうちに作業しておくメリットはあるが、それは即日見せるという行為とは違った話だ。

フィルムカメラを使っていたら、こんなことを見直せた。
Photo-graph:光を記したもの。
記録としての写真の意味を再考している。

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コメント(4)

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オイラもフィルムを使い始めて、即時性を要求しなくなったのであります。
撮った画像を現場で確認できなくてもいいではないかな??
のんびり行きましょうよ!!

SECRET: 0
フィルムのよさ、のひとつですね。
ちょっと経ってから、ドキドキして見ることのできる。
でも、まだ煩悩多き者としては、デジタルの即時性も魅力です(^^;

SECRET: 0
*ひらりんさん、
はい、マイペースで行きますが、どうぞよろしくお願いいたします。

SECRET: 0
*j_capacityさん、
フィルムだと、イメージ通り写せたのかすぐに分からないので、シャッターを押す瞬間は、デジタルよりずっと緊張しますね。
仕上がるまでの時間も、それはそれで楽しいですね。
デジタルとフィルムをうまく使い分けて楽しみたいと思います。

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このページは、Yoshinori FUKUIが2007年5月19日 19:25に書いたブログ記事です。

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