サハラの旅から戻り、改めて砂漠の友人たちを写真に収めたいと始めた写真ブログ

Comment on monte sur un dromadaire(ラクダの乗り方) 09

| コメント(8) | トラックバック(0)
d0087256_23283240.jpg

ラクダに乗って、さあ出発!
・・・でも、引っ張ってもらってます(爆)

前にも書いたが、村を出るまではAhmad氏(堅苦しいので以下アフマドさん)が手綱を引くという。
手綱を彼に預け、NOKTON 35mm F1.2 Asphericalを付けたM8を左肩から右脇にたすき掛けて鞍に跨がった。
鞍に跨がるとすぐにラクダが立ち上がった。

ラクダは立ち上がる時、まず前脚を少し起こす。
この時、鞍が後ろにグラッとくる。
次に後ろ脚をぐっと伸ばす。
この時、体が前に投げ出されそうになる。
それから完全に前脚を伸ばす。
これで思いきり前に傾いた鞍がようやく水平になる。
初めてラクダに乗った人は、予想の付かないこの動きにかなり驚く。
しかし何年もラクダに乗っていので、勝手知ったる動作だ。
鞍の上で旨くバランスをとっていたの見上げて、アフマドさんがニヤッと笑った。

ラム村は小さな村だ。
数分歩くともう町の外に出た。
すぐに自分のラクダの手綱をもらって自分で操る。
私のラクダの手綱は、ラクダの口に回した輪になった紐の左右から伸びている。
つまり左右に一本ずつ紐がある。
サハラ砂漠では、ラクダの口の左側の一本のロープのものばかりだった。
アフマドさんの手綱もサハラと同じ一本のロープ形式。
私のラクダの2本式の手綱は、馬に慣れた観光客向けのものなのだろうか。

ヨルダンのラクダの鞍は、昔(1981年、つまり26年前!)エジプトで乗ったものによく似ていた。
鞍は織物に覆われていた、形は分からない。その前と後ろに小さな棒状の突起が出ているだけだ。
さて、この鞍にどうやって乗るのが一番いいのか。
コブの上に乗っているので、ラクダの首はかなり遠い。
トゥアレグの鞍のように、ラクダの首に足を乗せることはできない。

トゥアレグのラクダの乗り方

余談だがトゥアレグのラクダの鞍はコブの前、ラクダの前脚の上辺りに乗せる。
乗り手は右足を伸ばして、ラクダの首の一番低いところに左足を置く。
その左足の親指の付け根辺りに、右足の足首よりやや上の辺りを乗せ、右足の親指の付け根でラクダの首を前に押す。
右足の親指と人さし指でラクダの首を挟むこともある。
この座り方だと、鞍の前の突起を両足のももで挟み、左足の踵の外側、右足の親指と人さし指の付け根、そして尻で体を支えている感じだ。

d0087256_0163218.jpg 本当にのどが渇いている時、ラクダの飲む水の量は半端ではない。
そういう時は、鞍帯を緩めて、ラクダの腹が膨らむくらいまで水を飲ませる。
しかし、2頭のラクダは、少し水を飲むともう飲むのを止めてしまった。
既に十分水を飲んでいたのだろう。

アフマドさんに、
「近くの岩に文字が書かれているから見てくるといい」
と言われる。
さて、ここでふたつめの問題に直面した。
それは自分が乗っているラクダの座らせ方だ。
自分が乗っていないラクダなら、手綱を地面の方にぐっと引けばいい。
しかし自分の乗っているラクダの手綱を下に引くことは不可能だ。
どうするのか。
手綱を緩めて、
「ヒー、ヒー」
と言えばいい。
しかし、このヒーの発音は、日本人にはかなり難しい。
日本人にとっては声というより音に近いだろう。
咽喉の奥を強い風が抜けるような音だ。
それをかなり大きな音にしなければいけない。

何とかラクダを座らせて、近くの岩を見に行った。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://sahelnet.org/mt/mt-tb.cgi/2593

コメント(8)

SECRET: 0
鞍もいろいろなんですね〜。
学生のころ文化人類学を学びましたが、フィールドには出ませんでした。拝見していると、カメラを持ってどこかに出かけたくなります。特に砂漠(笑)

SECRET: 0
ほ〜。
ラクダは1本手綱なんですか。
右向け、左向けもその1本を左右に振るのでしょうかね?
足の置き方も面白いですねぇ。
首に乗っけてる時は、その足でも合図をするのでしょうか?
馬はお腹が敏感ですよね。ラクダは首が敏感?
ラクダには是非乗りたいと思っていますが
乗りこなすには時間がかかりそうですね。
歩くと前後にゆれます?
写真もとても魅力的!
でも、ラクダに興味がありすぎて
質問だらけになってしまいました・・・。

SECRET: 0
格好いいのであります。
貴殿としてはお土産に一頭欲しいところでありましょう。
日本では馬と同様、軽車両扱いなので(たぶん)、左側を通行しましょう。
(意味不明)...

SECRET: 0
*msmt142さん、
本当に地域ごとにいろいろな鞍があります。
それぞれの鞍に、工夫が凝らされていて、どれだけ見ていても飽きません。
ヨルダンのラクダの鞍、ぜひいつか日本に持ってきたいと思います。

SECRET: 0
*gangnekoさん、
サハラ砂漠のトゥアレグは一本手綱で、それを左右に振ってラクダを操ります。
でもモーリタニアでは、杖(棒)を使ってラクダを操ります。

トゥアレグの乗り方の場合、仰る通り、足で首をぐいっと押すのも、奨めの合図です。
でも首が敏感というわけではないようです。
むしろかなり鈍感な気が・・・

それからラクダの歩き方は側対歩(同じ側の前脚と後脚を同時に上げる歩き方)です。

SECRET: 0
*ひらりんさん、
確かに日本でもラクダを飼いたいですが、乗り回すところがないですからねえ・・・

SECRET: 0
へぇ〜。側対歩ですか!
人間でそれをやったら、かなり怪しい動きになりますが
ラクダは普通なんですね。
でも、どんな揺れなんだろ???

SECRET: 0
*gangnekoさん、
揺れ方は・・・いつか自分で乗って確かめてください!

コメントする

このブログ記事について

このページは、Yoshinori FUKUIが2007年11月27日 00:28に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「Les préparatifs de départ(出発の準備) 08」です。

次のブログ記事は「La fauntaine de Lawrence et le Siq de Khazali(ロレンスの泉とハザリ渓谷) 10」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。