サハラの旅から戻り、改めて砂漠の友人たちを写真に収めたいと始めた写真ブログ

L'aubaine fatale(必然的幸運) 16

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こんな息遣いを感じたくて
撮りたくて
遥々来たんだ

同じ光と陰の中に
いつまでもいたかった

朝6時頃、テントの周りを一通り撮影してテントに戻ると、親父さんがやってきた。
「おはよう」
「おはようございます!」
「どうだ?寒くなかったか?」
「いえ、全然!」
アリさんは向こうのテントからまだ来ない。
アフマドさんはこちらのテントの中でまだ寝ている。
二人きりのシチュエーションでは、どうも緊張してしまう(汗)

親父さんは囲炉裏に座って火を熾し、テントにかけてあった袋からコーヒー豆を取り出し、私のためにアラビアコーヒー作り始めた。
「何でも撮るといい」
昨晩そう了解を得ていた。
それでも悩んだ。
しかしこんな機会はもうないかも知れない。
意を決して撮影させてもらった。

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ワディ・ラムの
このテントで一晩過ごしたこと
この親父さんと知りあえたこと
それは偶然の幸運ではない
夢を追ってきたから得られた幸せだ

そう思うのは不遜だろうか。
望んでも得られるとは限らない。
けれど、望まないことは決して手に入れられない。

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コメント(23)

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しぶいっ、渋すぎます、アブー・アリー。
煩悩の多い私は、こんな渋いおじさんにはなれないだろうなぁ(T_T

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なんて素敵な空間でしょう!
おじさんの息遣い、湯の沸く音、コーヒーをすする音が聞こえてきそうです。
jujubierさんの写真、その場に行ったような気分になれますよ。

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*鍵コメントさん、
感動していただけたなんて・・・
ちょっとこそばゆいです。
ありがとうございます。

このブログの右下に
mail
と書かれているところがあります。
そちらからメールを送れますので、質問などありましたらお気軽にどうぞ。

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*たけやん、
なんとかたけやんの巡礼出発前にこの親父さんの写真まで辿り着けました(笑)
親父さんシリーズ、まだあります。
お楽しみに。

カイロの下町でもたくさん写真を撮りました。
帰ってきたらぜひ見てくださいね。

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*emluさん、
バーチャル・トラベルはまだまだ続きます。
30回で終われないかも(笑)
まだしばらくお楽しみください。

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1枚目のポートレートは素晴らしいです。よくいろんな写真家の撮ったポートレートを見ますが、勝るとも劣らない、いい雰囲気が出ています。コーヒーを沸かすところの煙でしょうか、素晴らしいリアリティですね。

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うわ〜、素晴らしいお写真の数々!
このポートレートはjujubierさんにしか撮れないでしょうね。
しかし、なんともいい表情してますね。

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*tullyz2さん、
とても嬉しいお言葉、ありがとうございます。
やっぱり砂漠に暮らす人たちを撮るのが一番好きです。
撮っている時、高揚感があるんですよ。
フォトグラファーズ・ハイってあるんでしょうか(笑)
でも・・・砂漠の撮影はカメラには厳しい!

囲炉裏の写真、右手は炎、中央は炎と煙でしょう(多分)
あまり引き過ぎずに撮れてよかったです。
でももっと寄った方がよかったか、と後になって自分の写真を見るといろいろ考えてしまいますね。

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*sindbad_7さん、
砂漠好きの同志sidbad_7さんに気に入っていただけて、とても嬉しいです。
この親父さんと知りあえたこと、この朝いろいろな写真が撮れたこと、それだけで今回の旅には満足しています。

でも、また後で書きますが、撮影については反省すること「てんこ盛り」の旅でもありました。
かなり落ち込み、
「この失敗が、自分の糧になるさ」
「次には同じ失敗をしなくなるんだから」
と自分を慰めてなんとか復活(笑)

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おはようございます。
かっこいい!これぞ男!って感じです。
いい人生を過ごしてきた人は、きっとこんな風格をもたれるのだろうなぁ。
ああ、僕には到底到達できないことだけど。

それにもまして、その風格を写し取る写真力!さすがです。
弟子入りさせてもらいたいです。

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たとえお金が沢山あっても観光では決して経験出来ない素晴らしい世界ですね。
まぁ、あちらからすれば何の事もない日常なのかもしれませんが。(笑)

私がjujubierさんの写真(経験)を拝見して羨ましいとか、行きたいと感じるのは
そこに何か素晴らしい世界観を見いだせるだろうと思うからなのか、
ただ単に現状から逃避したいだけなのか・・・
おそらく後者なのでしょう。

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アリさんも素敵だなと思いましたが、
年輪を重ねたような親父さんはもっと渋くてかっこいいですね。
写欲をそそられます。
知恵のある人・・・という感じがします。
いいな〜〜。
コーヒーも味わいたいです。

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渋い。渋すぎるのであります。
こういうポートレート撮ってみたいのであります。

SECRET: 0
それはそうと、物欲仲間に報告なのですが(笑)
NikonD3へ逝ってしまいました。
赤外問題が無ければM8へ逝ってしまったかもしれぬ私ではありますが、
やはりその先のレンズ地獄へ踏み入れる力も無く資産を活かす方向へ落ち着いたのでございます。(^_^;)

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*だいさくさん、
親父さん、格好いいですよね。
こんな風に年がとりたいなあ・・・

このポートレートは、とにかく被写体に助けられてできあがりました(笑)

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*いなやん、
私は、砂漠はかつて過ごした「日常」であるからこそ、そこに魅かれ続けているのだと思います。
私にとっては、それは現実逃避とは違う気がします。
時々砂漠の暮らしにどっぷりつかることで、心のバランスが取れている気がします。
ものに溢れた暮らしと、ものに頼らない暮らし、どちらも好きですし、どちらも大切です。

羨ましいという言葉を伺って思うのですが、かつてそこへ行くため、そこで暮らすために、たくさんのことを犠牲にしたんですよ。
それを後悔したことはありませんが、何も諦めずに何かを得たわけではないことは、分かってくださいね。

でも、そんな暮らしが出来たこと、今も砂漠に行く機会があること、これは本当にありがたいことだともちろん感謝しています。

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*かよさん、
この親父さん、ほんと写欲をそそられますよね。
次回は一緒に行きましょうか。

SECRET: 0
*ひらりんさん、
ひらりんさんも、次回は一緒にきましょう。
カメラは何を持っていきますか?

SECRET: 0
*いなやん、
あ、D3に逝きましたか!
おめでとうございます。
D3の超高感度の世界をぜひ見せてください!

D3、現時点で最高のカメラかと思います。
でも旅に持っていき、ポートレートを撮るには大きく、威圧感がある気がして諦めました。
最近出た一眼レフの中ではOLYMPUSのE-3がいいなあ!と思いますが、それでも大きいかなあと。
EOS 5Dとほぼ同じ大きさ、重さなんですよね。

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jujubierさん、>羨ましいとか現実逃避だとか。
決してjujubierさんがどうこうというのではなく、私の内部の独り言みたいな物を書いてしまったので単にコメントとして書く事では無かったなと思い改めております。
おっしゃるとおりjujubierさんの行動はjujubierさんの気持ちによる必然的な物であって、それがご自身の感動や喜びにつながる物であり、それを見る私が感じるのはそういった想いや情熱ではなくただ単に今の世界から離れたいという思いあのかもしれないなと、またそれを見て羨ましいと思うのも自分をしっかりと把握する事から逃げ出しているのだろうなと思った訳でして、jujubierさんに比べ私はなんてちっぽけな人間だなと戒めて出た言葉を書き連ねてしまいました。
気を遣わせてしまったみたいでね。すみません。

D3は高感度特製の凄いカメラが欲しいとか、最高のカメラが欲しいとか、そんな気持ちはまったく無く、ただ単に「ああ、Nikonもがんばったんだなぁ」・・・と手にしたくなってしまいました。
D3を使ったからといって感性が研ぎ澄まされるということもありませんし。(^_^;)
でも、こうやって愛着をもって買えば長く使えるかなと思ったりします。(^_^)

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みなさん仰るように、渋い・・・!そしてとても深い表情ですね。
心に響くポートレートです。なんだかドキドキします。。
文章も、心揺さぶられる言葉ばかりですね。

>こんな息遣いを感じたくて
 撮りたくて
 遥々来たんだ

 同じ光と陰の中に
 いつまでもいたかった

>ワディ・ラムの
 このテントで一晩過ごしたこと
 この親父さんと知りあえたこと
 それは偶然の幸運ではない
 夢を追ってきたから得られた幸せだ

 そう思うのは不遜だろうか。
 望んでも得られるとは限らない。
 けれど、望まないことは決して手に入れられない。


・・・ため息こぼれちゃいます。旅人はみな詩人だわあ。。。

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*いなやん、
いなやんのひとりごとに反応して、逆にいなやんに心配をかけてしまったでしょうか。
でもお互いに思っていることは遠慮せず、言いましょう。
そういうオープンな、長いお付き合いがしたいです。

D3、ニコンが満を持して出したフラッグシップ機ですね。
キヤノンに対して、ちょっと悔しい、羨ましい思いを抱いていたニコン派の方は、D3の発売でしっかりと溜飲を下げたのでしょうね。

仰る通り、好きなカメラとレンズで撮るそのフィーリングは、写真を撮る上でとても大きな要素だと思います。
愛着のあるD3で撮った写真をいろいろ見せて下さいね!
(墓地の写真はまだD200ですね)

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*はせつさん、
ありがとうございます。
気に入った写真には気持ちも一杯こもってますから、良い写真が撮れると自然に言葉も溢れてきますね。

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このブログ記事について

このページは、Yoshinori FUKUIが2007年12月 1日 06:55に書いたブログ記事です。

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