サハラの旅から戻り、改めて砂漠の友人たちを写真に収めたいと始めた写真ブログ

Le chemin de retour(帰路) 19

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泉に水を飲ませに行くのだろうか
テントの場所を変えるのだろうか
ヒツジを追って、ベドゥインたちが歩いていった

2頭の仔ラクダに焼き印を付け終わると、男とたちは満足そうにテントに歩いていった。
手を洗い、テントに入った。
すると朝食が運ばれてきた。
早朝に親父さんのいれてくれたコーヒーは飲んだが、そう言えば何も食べていなかった。

d0087256_2012651.jpgチャパティのような薄く柔らかいパンと、オリーブオイル、ハチミツ、チーズ、バター、ジャム、ビスケット・・・
自家製のものより、換金物というか、店で買ってきたものが多いのに驚いた。
サハラ砂漠の遊牧民の朝食は、ヨーグルトとか、ヒエかアワのお粥が多い。
それに比べるとかなり豪華だ。

d0087256_20122483.jpg緑色の顆粒状のものは見たことがなかった。
塩とゴマと何かを混ぜたもののようだったが、それが何か、また名前も、聞くのを忘れてしまった。
これは塩味が効いて旨かった。
パンにオリーブオイルをつけ、それからこれを付けた食べた。
そしてワンショットグラスで紅茶を飲んだ。

食事が終わり、私は荷物をまとめ直した。
親父さんは、テントの前に自分のランドクルーザーをつけた。
そして私に別れの挨拶をすると走り去った。

「親父の車はとても古いだろう?よく壊れる」
「するとそれがどこでも、親父はそのまま乗り捨てて歩いて帰ってきてしまうんだ」
「すると俺が車を取りに行かなきゃ行けない」
アリさんがそう言った。
「ラクダだったら絶対に乗り捨てないだろうね」
ラクダより高い車を乗り捨てる感覚について考えながら私がそう言うと、みな頷いていた。

さあ、いよいよ出発の時間だ。
水をたっぷり飲み、クーフィーヤを巻いた。
そしてアリさんに、お母さんたちにお礼の言葉を伝え、カメラバッグとズタ袋(仮名)を持って、昨日ラクダを降りたところへ戻った。
アフマドさんは、私より一足先に戻って、もう鞍を付け終わっていた。
私の鞍も付けてくれていた。
カバンとサンダルを鞍につけ、ラクダに乗った。
さあ、ラム村へ!

ハザリ山を左手に北へ進む。
昨日はハザリ山の西側を南に下ってきた。
今日は反対側を歩いているわけだ。
右手にも山がある。
ここはふたつの山の間のワディ(枯れ川)だ。
小一時間進むと、左右の山が終わり、視界が開けたところで、右手に自然が作った橋があった。

d0087256_2013409.jpg 小さな子どもが家から出てくると、2頭のラクダの手綱を杭に縛った。
アフマドさんの息子のようだ。

アフマドさんは、ラム村に着いたことを携帯電話でアリさんに知らせた。
すぐにアリさんがランドクルーザーでやってきた。
アフマドさんには、マグライトをお礼に渡し、お礼を言った
「ラクダの旅はとても楽しかった。ありがとう。写真は後で送ります」

アリさんの車でラム村を抜け、ビジターセンターに向かった。
ビジターセンターでは、レンタカーのドライバーのムハンマドさんが待ってくれていた。
アリさんには、ドバイの空港で買ったアルコールフリーの男性用と女性用の香水を渡してお礼を言った。
車に荷物を積み、ワディ・ラムを離れた。

ワディ・ラムの旅が終わった。

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コメント(14)

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お店で買った物やランドクルーザー・・・・。
現金はラクダや羊を売って得たものなのでしょうか?

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「緑色の顆粒状のもの」ふりかけみたいな味のするものですよね?
ヨルダン全域の家庭で出してくれますが、考えてみたら他の国では見かけませんね。名前は僕も忘れましたが美味しいですよね。

なんとも素敵な旅をされましたね。風の吹く砂の舞うワデイラムに行きたいです(笑)

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緑色の食べ物、ちょっと感じが違う気もしますが、多分「ザアタル」ではないかと。
いわゆるハーブ系の葉をすりつぶして、ゴマを加えてあります。
塩は入れたかどうか。でも確かに塩っぽい味はします。

オリーブオイルにつけて食べる点も似ているので、多分同じものだと思うのですが。

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*いなやん、
身に付けている時計とか携帯は、決して高価なものじゃないんですよね。
ランドクルーザーもそうとう古いものです。
でも貨幣経済が、サハラの遊牧民の暮らしに比べれば、格段に浸透しているなあと思いました。
ワディ・ラムは確か保護区になっているはずですから、生活に補助があるのかも。
その辺のことは、少しずつ調べて見ようと思います。

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*sindbad_7さん、
そうです。ふりかけみたいな感じでした。

上の料理の写真は、クリックすると倍の大きさになります。
同じものか確かめて見てください。
ホントおいしかったです。
でもアンマンのホテルでは、出なかったなあ。
やっぱり家庭料理の一部なんでしょうね。

そうそう、アンマンのFoulはすごく旨かった!

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*たけやん、
ザアタルというんですか。
調べて見ました。
http://en.wikipedia.org/wiki/Za'atar
あ、これです!
タイム、白ゴマ、塩が基本みたいですね。
自分で作って見ようと思います。

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一枚目の壮大なお写真。。
こんなシーンに居合わせたことがない私にとっては
クラクラしちゃうくらいエキゾチックなお写真です。

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こういう場所というのは凄く乾燥してるのでしょうね。
咽が渇いてしまって沢山水を飲みたくなってしまいそうですが
移動距離が長いから水も凄く貴重になるし、でも砂漠だらけだ
し。慣れとは怖いものです笑。凄く涼しそうな顔をされていま
すね。

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砂漠の美しさ・・・素晴らしいですね。
ずっと眺めていたいような・・・
朝食は一般の観光客には食べやすくていいかもしれませんが、
現地の方の食べる朝食を見てみたいですね。

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*杏さん、
壮大な景色に本当に感動しました。
ただ、ワディ・ラムと言われる地域は、以外に狭いな、と思いました。
サハラ砂漠と比べちゃいけませんね(笑)

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*farfarsideKさん、
鼻の中がカサカサになり、鼻をかむと鼻血が混じっているくらい乾燥してました。
でも暑い季節じゃなかったので、咽喉はあまり渇きませんでした。
日焼けしましたが、暑い!という感覚はなかったです。
ラクダで旅するには良い季節でした。

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*かよさん、
もっと伝統的な、自給自足の暮らしに根付いたものを食べて見たかったですね。
でも、あれほど豪華じゃないでしょうが、ああいう「買ってくるもの」をかなり食べているのかな、と思いました。
事実はわかりませんが。

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最新ナンバーから見ていますが、都会もいいけど
やっぱり、自然がいいなぁと思うのは東京っ子?だからかな・・・。
そして、砂漠がいいです。
暮らす場所って、それぞれに一長一短あるのでしょうが、
でも、未知の世界は憧れですね。

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*gangnekoさん、
ええ、私も砂漠に暮らす人たちの写真を撮るのが一番好きです。
きっと撮る人の「大好きなんだ!」という気持ちが、写真から伝わるんでしょうね(笑)

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このブログ記事について

このページは、Yoshinori FUKUIが2007年12月 4日 20:28に書いたブログ記事です。

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