日本に戻り暮らし始めてから、サハラ再訪まで

原状証明書

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のまさん、大変でしたね。

また入居時にクロス等に傷があったり、汚れがある場合は写真をとって証拠を残すか、必ず業者に立会いして確認をしてもらうことが必要でしょう。

引用元:のまのしわざ: すべての賃貸住宅入居者へ:敷金の返金トラブル


上のお話を読んで、自分がサヘルでは家を借りたときのことを思い出しました。
サヘルでは、セネガル、マリ、ブルキナファソなどで家を借りました。それを思い出してみると、賃貸契約はフランス式で、住居の賃貸契約書に必ず原状証明 (L'etat du lieu) というものを添付していました。

原状証明書は、簡単に言えば不動産の状況とそれに付随する動産についてのリストです。
不動産については、壁や床のどこにキズがある、どのドアの締まりが悪いなど、動産については、クーラーとか電球が何個あるか、家具付きの場合は、どんな家具がどんな状態でいくつあるかなど、各部屋ごとに細かく説明したものでした。
入居時にこれを2部作って、大家と一緒にひとつずつ内容を確認し、賃貸契約書とともに双方が署名して1部ずつ保管しました。
そして解約時には、これを原状回復の基準としました。

実際にマリで家を借りたときの賃貸契約書を見てみると、借り主、貸し主双方の原状回復などに関する義務や権利について以下のような条項が書かれていました。

責務と条件 借り主
  • 現状証明書−維持−使用権 1)借り主は、入居日の状態で物件の維持及び使用権を有し、それ以上に貸し主に補修及び改修を要求することはできない。 2)借り主は、契約期間中物権の維持、補修に努め、入居時のXXXX年XX月XX日付の原状証明書と同じ状態でこれを返却する。 3)下記用途に基づいてこれを慎重にこれを使用し、破損及び被害についてはただちに貸し主に報告し、必要な措置をとる。
  • 保証 借り主は物件及び家賃に含まれる付属する家具、設備、品物を維持しなければならない。
  • 工事−補修−装飾 1) 借り主は、貸し主に文章で事前許可を得ることなく、契約物件内においていかなる建築あるいは取り壊し、穴をあけたりすることもできない。 2) 借り主のおこなった装飾、改修について、貸し主が原状回復を要求しない場合は、装飾、改修は貸し主に帰するが、借り主はその装飾、改修費用を貸主に要求できない(貸し主が原状回復を要求する場合には貸主がそれを負担する)。
  • 保険 借り主は、物件の被害、隣人の暴力、水害、ガス爆発、ガラスの破損など一般的な危険と同様に、契約期間中、物件のすべての家具、設備、備品、品物の火事に対して保障をする。上記保険は、貸し主の認める、XX国内の支払能力のある常設保険機関に申し込み、借り主が保険料を支払う。
貸し主
  • 不可抗力の事故・災害 貸し主は、不可抗力の断水、停電、それによる被害については、賃貸料の減額のような責任を負う。
  • 大規模な改修 貸し主は賃貸借契約期間中、必要かつ緊急の大規模な改修工事の費用を負担する。大規模な改修工事は、再建設、増築などである。この場合、借り主はそれによる支障を了解する。

原状回復以外には、借り主が解約を退去のどれくらい前に貸し主に伝えるかという条項も大切でした。
たいていの賃貸契約書には3か月前までに文章で報告すること、と書かれていました。
しかし、治安の悪化とか何かあって急に解約する必要があるといけないので、これは貸し主と話し合って1か月前までと期限を短く書き直してもらいました。
それから、解約時だけでなく、貸し主へのいろいろな報告や要求は、いったいわないというトラブルがないように必ず書面にしていました。
こういう風に書面でやりとりするのは、契約社会であるフランスの制度が浸透しているサヘルの都会とか、欧米的な教育を受けた家主さんから家を借りる時には、とても大切ですね。

実は契約では大失敗もしているのですが、その話はまたいつか(大汗)。

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このページは、Yoshinori FUKUIが2004年2月24日 05:47に書いたブログ記事です。

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