日本に戻り暮らし始めてから、サハラ再訪まで

Live8とホワイトバンドからアフリカの問題を考える

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TENERE: 貧困への関心で、「ほっとけない」とホワイトバンドについて書いたところ、ライブ8に関するトラックバックをいただきました。
しかしLive8は、個人的に、どうも納得できず、その輪に入ることができませんでした。

その感覚は、ジュビリー2000(アフリカ諸国の返済不可能な債務の帳消しを求める運動)の時にも感じたことでした。

貧困への啓発という意味では、ホワイトバンドもLive8も、どちらも大きな意義があると思います。
しかし、私の中では、このふたつは「意味合い」(あいまいな表現ですみません)がずいぶん違います。

私にとって、ホワイトバンドの一番大きな意味合いは、募金したという自己満足とかその売上げの効果への期待ではありません。
それが日常の中に「非日常」を持ち込んでくれることです。
「おきまりの日常」に流されそうな中、アフリカを思い起こさせてくれる力です。
ホワイトバンドをつけることで、貧困について持続的に意識することができます。
(ずっとつけていると慣れてしまうかもしれませんが)
そして何より、「それは何ですか?」と問われた時、自分のアフリカでの体験を通して、自分の考える「貧困」とは何かを述べる機会が持てることです。

Live8は、ホワイトバンドより遙かに報道性が高く、多くの人に知ってもらえたイベントです。
しかしその認知度の高さと、有名人の人気や影響力故、諸刃の剣である危険や胡散臭さから、距離を置いてしまいました。
諸刃の剣というのは、政治を動かすつもりで、政治に利用されないかということでした。
胡散臭さとは、参加している有名なミュージシャンにはまったくそのつもりはないけれども、人道主義的なメッセージが、「北」の諸大国のアフリカでの搾取から目をそらすため、さらには、他人の財布を使うために使われていないかという疑いの念でした。
そして、Live8は、瞬間的なインパクトはとても強いけれど、一過性のものだという点でした。

インターネットでLive8について検索してみると、私の疑念をよりはっきりと、詳しく書かれている投稿がありました。
ライブ8の深層

Live8について、ウェブ上で、ほかにも批判が書かれていました。
自分の立場をはっきりさせると、ライブ8を批判し、否定することについて、前半(批判)は同意、後半(否定)は反対、です。
さきほどの悪い部分を持っている国、行政をすべて否定するという考え方は持てません。
当たり前のことですが、完璧な政府、政党、行政はありえず、良い部分と悪い部分を併せ持っているからです。
今回のLive8で、初めてアフリカの貧困に関心を持った人もいるはずです。
純粋に、人道主義的な気持ちで、この活動を支援している人たちも少なからずいます。
ですから、Live8や「ほっとけない」は、そういう人たちにアフリカの実情に関心を持ってもらう貴重な啓発的機会だと思います。
つまり、ライブ8や「ほっとけない」を単純に否定し切り捨てるのでなく、確信犯的な大国(参加者のことではありません)の意図を逆手にとって、これを、多くの人たちに大国のアフリカ搾取の実情を知ってもらう機会にできるとすればすばらしいことだと思います。
そして、日本は、日本に属する私たちは、欧米の大国とちがう立場で、アフリカの「貧困」に対して何ができるか、考えていきたいですね。

こんな風に、ライブ8やホワイトバンドなどについて触れる機会に、
・アフリカの貧困について語る
だけでなく
・大国の「搾取の構造」
・アフリカへの援助が、欧米諸国や中国のエネルギー資源獲得競争の隠れ蓑になっている
ことをしっかりと伝えるべきでしょう。
ホワイトバンドを身につけ、誰かにそれに興味を持ってもらうのは、そういう機会を増やすすばらしい手段だと思いませんか?

もうひとつ、別の投稿で、アフリカの「貧困」について、よく言われる原因に反論してみたいと思います。

参考資料

勝俣 誠
朝日新聞 (1993/09)
売り上げランキング: 255,893

追記 (2005.07.21)

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コメント(1)

TBありがとうございました。
日常に非日常を持ち込む、というのは言いえて妙ですね。
私も援助に関わる者として、ホワイトバンドを通じて貧困の問題に無関心であった人が何らかの形で関心を持つようになればよいと思います。
関心を持つ、というところから全てが始まるわけですから。
また拝見させて頂きます。

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このページは、Yoshinori FUKUIが2005年7月13日 21:59に書いたブログ記事です。

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