日本に戻り暮らし始めてから、サハラ再訪まで

マリ人と結婚してマリに住むとしたら

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西アフリカの男性と結婚すること、そしてその後現地で暮らすことについて、そうしたい気持ちと大きな不安を持たれている日本人の女性から、メールで質問を受けました。
時期を同じくして、ウェブで同じような不安を抱いていらっしゃる別の方の書き込みを目にしました。

そこで、お返事させていただいたメールをもとに、結婚される前にこんなところを判断材料にされたらどうか、と思うことを書いてみしました。
今後も、同じような不安、悩みを持っていらっしゃる方がいらっしゃった時の参考になればと思います。
しかし、ここに書いたことは、自分の経験だけからの独断と偏見によるものです。
あくまでひとつの参考意見、として読んでくださいね。

1.宗教
パートナーは、ムスリム(イスラム教徒)ですかクリスチャンですか、あるいは伝統宗教を信仰されている方ですか?
信仰に熱心な方ですか?
あなたにも同じ宗教への改宗を強く求めていらっしゃいますか?

2.価値観
宗教だけでなく、文化、習慣も大きく違います。
あなたは、自分と違う価値観を許せるほうですか、許せないほうですか?
パートナーの生活スタイル、人とのつき合い方、食生活などを、これまでの経験の範囲内で、許容できていますか?
受け入れられない部分があまりにも多いようだと、結婚後もそれが問題になる可能性は高いと思います。

3.経済的な状況と、求められる支援への対応
パートナー、そのご両親、ご兄弟などは、経済的に安定した生活を送っていらっしゃいますか?
西アフリカは、親族間だけでなく、友人知人に至まで、互助制が非常に強い社会です。
仕事をしているひとりの人の肩に、多くの親族内の失業者、病人、老人、学生などへの経済的援助が求められます。
そういう支援が求められやすい環境にあるかどうか?
そういう支援を求められた時、パートナーはどう対処されるか?
これによってお二人の暮らしぶりがとても大きく違ってきます。
いつもサポートを断ってばかりいると、親類から村八分みたいになってしまいます。
でも、ノーといえずにお金を貸して(実際は帰ってこないことも多いでしょう)ばかりいたのでは、全然貯蓄ができません。
もちろん、経済的な状況がそのまま幸せの目安ではありません。
問題は、あなたがこれまでどのような暮らし振りをされてきたか、結婚後それと大きく違う暮らしでもやっていけるか、という点だと思います。

4.結婚の条件
例えばマリでは、法的結婚にあたって、一夫一妻か一夫多妻か、財産を共有するか夫婦別々とするか、これを決めて結婚の条件として婚姻証明書に明記します。
つまり2通りの判断がふたつあるので、2×2で4通りの選択肢があります。
ご主人が2人目、3人目の奥さんを持たれてもいいですか?

5.暮らす場所
結婚されたとしたら、どこにに住まわれますか?
例えば、あなたはアジアの地方都市で暮らせますか?
市場の様子とか、交通事情とか、アバウトなところとか、西アフリカとアジアの地方都市って結構似ていると思います。
だから私は、中国やベトナムは結構居心地がいいです。
アジアの地方都市で暮らせる方なら、西アフリカの首都でなら、暮らせる方ではないかと思います。
しかし西アフリカの地方の場合は大きな格差がありますので、行かれてしばらく住んで見られないと、暮らせるかどうか判断できないでしょう。

6.言葉
言葉を覚えるのは得意ですか?
住むとなったら、言葉ができないと、困ることがたくさん出てくると思います。
パートナーが働いていらっしゃる時間は、コミュニケーションを手伝ってもらえませんから、自分で何とかしないといけません。
フランス語圏の大きな町に住まわれるなら「最低限」フランス語を、それに加えてそこで話されている言葉(バマコならバンバラ語)も覚えられたる「べき」だと思います。
地方だとフランス語ができない人がたくさんますから。地方に住まわれるなら、なおさらその地方の言葉を覚えられるべきだと思います。
ご主人の家族、そしてその地域に受け入れてもらえる要素として、コミュニケーションの核になる言葉は、とても大きなものです。

7.暮らしの中の楽しみ
商業的な、あるいは与えられた娯楽がなくても、自分の趣味、楽しみを見つけられる方ですか?
どこに行っても、そこにある環境で、暮らしの中に自分の楽しみが見つけられる方だと、ストレスがたまりにくく、暮らしていきやすいと方だと思います。

8.気候や食べ物
これは場所によってまったく違いますので、それぞれの場所に実際にしばらく住んで見られないとわからないことですが、日本よりは生活環境は厳しいです。
・暑さ、雨期の蚊、それによるマラリアの危険
・日本に比べるととても非衛生的な生鮮食品の扱い
・油やトウガラシのたくさん入った料理
・内科、外科、そのほか、しっかりした医療施設はあるか
など、そこで気候や食べ物をあなたが受け入れられるかどうか?

9.遠い日本
アフリカから往復するだけで30万円以上かかるでしょう。
時間も往復するだけで3〜4日かかります。
充分な経済的・時間的余裕がない暮らしだと、そう簡単に日本に帰れません。
それでも大丈夫ですか?

10.最後に
いろいろ書きましたが、お互いを大切に思う愛の強さが何よりの判断材料だとは思います。
しかし、長く暮らされる中で、少しずつストレスや納得できないことが溜まってくると大変です。
当たり前ですが、、パートナーとしっかりコミュニケーションをとること、じっくり話し合われることが大切だと思います。

この投稿は、何か思いついたたびに、付け足していこうと思います。

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コメント(1)

こんにちは。

私が周囲からアジア系との結婚を勧められても乗り気になれないのは、jujubeさんが上げられたこの10の条件の殆どを満たせる人がいないからです。
特に3.や5.は切実です。愛は必要だけど愛だけじゃどうにもならないこともたくさんありますから。
後はやはり言葉。

あと、子供が出来たら、国籍はどうするの?
何人として育てるの?
というのもありますね......。

いずれにしても、私には今更全く違う国の言葉や文化習慣を学ぶ気も余力もないのが現実です(--;

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このページは、Yoshinori FUKUIが2005年8月27日 07:22に書いたブログ記事です。

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