Microsoftの販促企画に成り下がった「公的個人認証サービス」
引用元:Nikkei BP Network | BizTech | 柔らかいデジタル(6)〜Microsoftの販促企画に成り下がった「公的個人認証サービス」
国民の誰もが等しく受けられるべきサービスについての、このような総務省の対応は、あまりにも独断的だと思いました。
私自身は Windows (2000 & XP) も Mac (OS X) も使っているので「公的個人認証サービス」の仕様について、実用上は問題はありません。
また、記事に300万人と書かれていた Mac 一般ユーザの中には、私のように Windows と併用している人も少なくないかも知れません。
しかし、たとえそうであっても100万人単位で存在する Mac や Linux ユーザである国民の状況をまったく考慮しない方針には納得できません。
マリを始めサヘルの国々にはいろいろな民族、言語があります。
行政上のサービスは、旧宗主国の言語(フランス語、あるいは英語やポルトガル語など)で行われています(モーリタニアだけはアラビア語)。
しかし、テレビ、ラジオ、新聞などは、フランス語だけでなくさまざまな自国の言語でのサービスがあります。
宗教や伝統的儀礼についても、政府は細心の注意を払っています。
日本よりサヘル地域の政府の方が、マイノリティに対する配慮がすべての面で行き届いているとは決して思っていません。
しかしサヘルの国々は、歴史的に民族問題などを通して、多くのマイノリティの問題にぶつかってきたからこそ、少なくとも「公式の立場」では非常にデリケートにマイノリティの問題を扱っていると思います。
それに対して、「公的個人認証サービス」における政府の方針や対応は、あまりにもマイノリティに対する配慮がなさすぎるように思いました。
まさに官僚主義的 Bureaucratique (bureaucratic) という言葉そのものの対応だと考えてしまいました。
おまけ
OSつながりの話題と言うことで、ドイツのミュンヘン市の Linux システムへの移行の話も目を引きました。
実際に新システムを使うことになる市職員にどうやってシステム変更の手間を納得させたのかを既にLinuxに移行した別の市のスタッフの一人が明かした:かわいいペンギンのぬいぐるみとTシャツの配布により好感度をアップさせた上で、女性幹部に新システムをデモさせることで、男性職員のマッチョ意識に訴えて「難しい」と言わせなかったとのこと。
じゃあ女性職員への配慮はどうなんだ、とジェンダー議論が起こりそうな話ではありますが、こういう心理的な知恵まで絞った工夫というか配慮は、上のような対応をしているような日本政府にはできないんだろうなあと思ってしまいました。
(2004.02.24 TrackBack追加)
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