日本に戻り暮らし始めてから、サハラ再訪まで

暮らしたいところと老後

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最近、仕事で中国、ベトナム、カンボジアなどを訪れました。
同行した方や現地に赴任されている方たちとお話すると、「赴任したくない」、「早く帰りたい」といわれる人たちの方が多いですね。
そういう方たちのお話は、反論せず、うなずいてお聞きしていますが、たいていの場所は、
「暮らしやすそうだなあ」
というのが私の本音でした。

いわゆる「途上国」への赴任にネガティブな方には、いろいろな理由があるでしょう。
何より、やっぱり自分が行きたくない、という方もいらっしゃるでしょう。
会社によっては、それが出世コースから外れるから、という理由の方もいらっしゃるかも知れません。
結婚されている場合は、海外滞在経験のない、あるいはその国の言葉が話せないパートナーのストレスや、子供がいらっしゃればその教育のことを考えられ、海外赴任に抵抗を感じられる方もいらっしゃるでしょう。
自分や家族の誰かがストレスをためていては、仕事も思いっきりできませんし、幸せな家庭も維持しにくいですものね。

しかし、わが家の場合は、
私自身
・西アフリカで長く暮らして、いわゆる「途上国」の生活に慣れ、それが気に入っている

・「途上国」出身でそういう生活に抵抗がない

・「途上国」で暮らした経験があるので、あまり抵抗がない(ように見える)
・日本語以外の言語での通学経験があるので、日本語学校がなくても(おそらく)大丈夫
という、「特殊」な家庭の事情が、中国、ベトナム、カンボジアが、暮らしやすそうだ、暮らしてもうまくやっていけそうだ、と思う理由です。

「途上国」の暮らしに慣れていますので、

活気のある市場がある

例)市場で、ケースにも入れられず、目の前にどかっと肉の塊を置いて売っている

(普通の日本人はそれだけで腰が引けるみたいですが。それにハエがたかっていたりするともう・・・)

値切って物が買える

面倒くさいという方も多いですが、安く買えたときは嬉しいですね

衣食にかかる費用が抑えられる

お客さんが多いわが家には、食品が安いのは重要です

またアフリカやアジアの多くの国では、お手伝いさんが安く雇えるので、家事・育児が楽になるのも妻には嬉しいところですね

フランス語のテレビ放送が見られる

日本は、フランスのCanal plusとかTV5が簡単に見れないです

フランス語を話す友だちが見つかる

日本でも、東京や京都は、フランス人が多いようですが、私たちが今住んでいる町では、仏語圏から来ている人がひとりも見つかりません

残業が少ない

西アフリカ出身の妻に、まず仕事ありき、という考え方は理解してもらえません

西アフリカに似たいい加減なところがある

仕事がやりにくい面と、コネや交渉で何とかなる余地があるという面白さもあります

こういう場所は、私たち家族にとっては、「暮らしづらい」理由にならず、むしろ「暮らしやすそうだ」という印象になります。

ですから、日本にいる限り、仕事に励み、日本での家族との暮らしを楽しむつもりですが、海外赴任という話があったら喜んで引き受けてしまいます。

上の「暮らしやすそうな」状況を書いていて気付いたのですが、
・残業が少ない
というのは、会社の環境と仕事の内容にもよりますが、日本だからとか「途上国」だからというより、本人の仕事に対する姿勢によることでしょうね。
結局「途上国」にいても、本人のやり方次第では、残業ばかりで妻に文句を言われてしまうでしょう。
うーむ、日本にいるから残業が多いというのは、言い訳だなと自戒。

しかし、老人となる日が近い将来やってくるという現実を見て、俄然「老後の生活をどうしよう?」という課題が気になりだしたのである。
中略
こども達の扶養に責任がある時期は、仕事の基盤が既にあるこの日本で生活していこう、というのは夫婦共有の認識だが、その後の希望を夫に聞けば、「やっぱりセネガルに帰りたい」と言う。今までは私もそう深くは考えず、「べつにいいんじゃない」ってな感じでいたが、いざそれが現実になるとどうかと言うと、「え〜、老人になってわざわざ過酷な環境に行くのもな〜。セネガルって四季ないし、暑いしな〜。金持ちになって悠々暮らせるのならいいけど、いつまで日本円が強いかわかんないし、それに夫に先立たれたら、私一人でセネガルにいるのもなんだし、ボケてウォロフ語やフランス語をすっかり忘れちゃったらどうすんだ?」というのが本音である。ぜーんぜんセネガルに骨を埋める覚悟なんて、できちゃいないのだ。
かといって、夫はセネガル、私は日本、だと、行ったり来たりが頻繁にできるような距離でもないし、経済的にも無理。なによりせっかく夫婦となったのに、老後に別居というのも物足りない。
さあ、どうしよう。まだ結論を出すには余裕があるとは言え、いつかは決断すべきこの問題。国際結婚の皆さん、どうしているんでしょうね〜。
byほんとは台湾あたりで暮らしたい

引用元:ガットゥサフ セネガル人との老後ーあなたな〜らどうする?

夫婦でよく「老後」の話をしますが、日本で暮らす、という選択肢は今のところでていません。
じゃあ、妻の国マリで過ごすのか、というと、妻は、それはあまり望んでいないようです。
経済的に頼られすぎたり、嫉み嫉みの「呪術」のある世界だからだそうです。
マリにいる家族と会うために、毎年マリには行って数ヶ月過ごしたいけれど、生活のベースはほかの国がいいそうです。

というわけで、実現可能かどうかを考えず、わが家の「老後」の理想を言えば、
・モロッコかモーリタニアかセネガルあたりで暮らす
・1年のうち1ヶ月くらい、パリに買い物や健康診断に行く
・1年のうち3ヶ月くらい、マリに行く
   そのうち1ヶ月は、親類や友達と話をして過ごす
   残りの2ヶ月は、砂漠で、ミルクをたっぷりの見ながら家畜と一緒に過ごす

で、ひとつ悩んでいることがあります。
・モロッコかモーリタニアかセネガルであまり田舎に入ってしまうと、インターネット環境が整っていない可能性が高い
西アフリカにもインターネットは普及しつつありますが、まだまだ。
しかし、インターネットによる知識の泉とつながった生活は捨てがたいので、暮らしの拠点では、常時接続でインターネットがしたいと思います。
妻も、家族と毎日メールやチャットでやりとりできると嬉しいようです。

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コメント(2)

Assalamu Aleikum
うちも良く老後の話をしています。
旦那はすでにモロッコに家を建て、最近ファームも買ってしまいました。
しっかり老後の準備?をしているようですが私はやはり老後は便利?なところに住みたいです。「あなたはモロッコ、私はイギリス。半年にいっぺん会いに行くから・・・」と私が言うと「それは絶対だめ死ぬまでずっと一緒にいる。死んだら同じお墓に入るんだから」・・・と旦那。
「お墓には一緒に入ってもいいけどモロッコで暮らすのはちょっと・・・」

・・・といつもこんな会話をしています。
でも最近のモロッコは何でも手に入る?便利な国になりつつあります。
どうなることやら私の老後?

Wassalaam

Wassalan Akaikum

20年くらい後に、モロッコで同じ町に住んでたりして(笑

それくらい後まで、このブログも、maryamさんをはじめネットでお知り合いに慣れた方たちとのつながりもつづくといいなあ。

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このブログ記事について

このページは、Yoshinori FUKUIが2005年6月26日 18:10に書いたブログ記事です。

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