Tinariwenについて、このブログにとって大事なことを、ひとつ書き忘れていました!
Tinariwenは、このブログのタイトルtenereの複数形なんです。
tenereには、ふたつの意味があります。
1.人の住まない土地
ひとつは、ニジェールのアイール山塊の東に広がる巨大なテネレ砂漠の名前のとおり、「砂漠」という意味です。
厳密には、「人のいない土地」というような意味です。
tenereという言葉の入った諺をふたつ
・直訳:(戦のあった)井戸にいるより、tenereでひとりで(井戸を掘って)過ごす方がまし。
説明:悪意のある者といても問題が増えるだけだという意味。
・直訳:蛇が言った。「tenereで起こったことは、集落には無関係だ」
説明:蛇が「俺に砂漠で噛まれたおまえは町に着く前に死んでしまう。誰もそれを知る由もない」と言った。「それは我々の間の問題だ。他人に言う必要などないことだ」という意味で用いる。
グループTinariwenの出身地キダール地方(マリ北東部)では、派生して、「人の少ない土地に住む人」、すなわち「遊牧民」というような意味でも使うようです。
グループTinariwenは、もともとTaghreft Tinariwenという名前でした。
Taghreftは、キダール地方の方言で「啓発」という意味ですので、グループ名は「遊牧民の(反政府行動への)啓発」というグループのポリシーをそのまま表したものだったわけです。
それがその後、簡略化されTinariwenになりました。
グループが、「遊牧民の(反政府行動への)啓発」から「遊牧民(の代表)」という意味になったともとれますね。
しかし、このtinariwen、トンブクトゥ地方(マリ北西部)では、また違った意味になります。
トンブクトゥ地方の方言では、遊牧民を表すのは「(町の)外の人々」という意味のkal ajamaという言葉です。
「人の住まない土地の人々」を意味するkal tenereやtinariwenは、いわゆる「悪霊」「悪い精霊」という意味になってしまいます。
2.望郷、ノスタルジー
さて、ふたつ目の意味は、自分以外誰もいない土地にいる時に抱く感情、ということから、「望郷」「ノスタルジー」を意味します。
むむむ、tenereを「望郷」という意味で使った諺は、思い出せませんでした。
宿題とします。
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