日本に戻り暮らし始めてから、サハラ再訪まで

人間の豊かさの指数

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国連開発計画(UNDP : フランス語だとPNUD)が、世界各国の開発の現状をまとめた2005年版の「人間開発報告書」を発表しました。

日本は健康、教育など「人間の豊かさ」を測る人間開発指数で177カ国・地域中11位(前年は9位)と、初めてベスト10から転落した。女性の政治・経済分野への進出度を示すジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)は43位と、先進国では極端に低かった。
(中略)
GEMは国会議員や企業の管理職などに占める女性の割合や、男女の所得格差を反映する指数。調査対象は80カ国で、日本は前年から5ランク下げた。日本より上位にある42位のタンザニアは、人間開発指数では164位の低開発国。女性の社会的地位の向上が依然として日本の大きな課題となっている。

引用元:asahi.com:「人間の豊かさ」指数、日本はベスト10から転落 - 暮らし

人によって「豊かさ」や「幸せ」の目安、ものさしはぜんぜんちがいます。
また、一国の中には、いろいろな社会環境の人々が混在しています。
ですから、ひとつのものさしで、国という単位で、人間の豊かさを測るのは無理があります。
「人間開発報告書」の基準、項目が、全世界共通のものたりえるのか、という疑問もあります。
しかし、とりあえず、ひとつの目安としてこれを眺めてみました。

「人間開発報告書」で低開発国(指数0.499以下)とされた32か国の中の14か国が西アフリカの国です(リベリアはリスト外)。
あともほとんどアフリカ大陸内の国々ですね。

177か国を後ろから

【低開発国】
  • 177   ニジェール (0.281)
  • 176   シエラレオネ (0.298)
  • 175   ブルキナファソ (0.317)
  • 174   マリ (0.333)
  • 173   チャド (0.341)
  • 172   ギニアビサウ (0.348)
  • 171   中央アフリカ (0.355)
  • 170   エチオピア (0.367)
  • 169   ブルンジ (0.378)
  • 168   モザンビーク (0.379)
  • 167   コンゴ民主共和国 (0.385)
  • 166   ザンビア (0.394)
  • 165   マラウィ (0.404)
  • 164   タンザニア (0.418)
  • 163   コートジボワール (0.420)
  • 162   ベナン (0.431)
  • 161   エリトリア (0.444)
  • 160   アンゴラ (0.445)
  • 159   ルワンダ (0.450)
  • 158   ナイジェリア (0.453)
  • 157   セネガル (0.458)
  • 156   ギニア (0.466)
  • 155   ガンビア (0.470)
  • 154   ケニヤ (0.474)
  • 153   ハイチ (0.475)
  • 152   モーリタニア (0.477)
  • 151   イエメン (0.489)
  • 150   ジブチ (0.495)
  • 149   レソト (0.497)
  • 148   カメルーン (0.497)
  • 147   スワジランド (0.498)
  • 146   マダガスカル(0.499)
【中開発国】
  • (省略)
  • 143   トーゴ (0.512)
  • (省略)
  • 138   ガーナ (0.520)
【先進国】
  • 16   フランス (0.938)
  • (省略)
  • 11   日本 (0.943)
  • 10   USA (0.944)
  • 9   ベルギー (0.945)
  • 8   アイルランド (0.946)
  • 7   スイス (0.947)
  • 6   スウェーデン (0.949)
  • 5   カナダ (0.949)
  • 4   ルクセンブルグ (0.949)
  • 3   オーストラリア (0.955)
  • 2   アイスランド (0.956)
  • 1   ノルウェー (0.963)

西アフリカの一国の時系列の変化を見ると、それでも、指数は少しずつ上昇はしています。
例えばマリは
1975 (0.230) 1980 (0.256) 1985 (0.263) 1990 (0.283) 1995 (0.307) 2000(0.330) 2003 (0.333)

寒いのが苦手で、家族や友人・知人がほとんどおらず、ノルウェー語がぜんぜんわからない私にとっては、人間界発指数1番目のノルウェーより、暖かくて(いや、実際は暑すぎる季節が長いんですが)、家族や親しい友人がたくさんいて、言葉もある程度わかる174番目のマリの方が、暮らしやすいです。
もちろん、暮らしやすい、ということと、豊かな暮らしができるということは同じではないわけですが、ノルウェーが私の理想の国には決してならないのは確かです。
それから、マリ生まれの妻にとって、私が暮らしやすいと思うマリが、必ずしも一番暮らしやすい国でもないようです。
私たち家族にとって、一番「豊かな暮らし」ができるのは、いったいどこなのでしょうか?
そしてもし、家族のひとりひとりの「豊かな暮らし」ができる場所が違う場合は、どうしたらいいのでしょうか?

(途中をはしょって結論だけ書いちゃいますが)きっと、一番良い場所に暮らす必要はないのでしょう。
家族の最大公約数を探せばいいのかな、と思います(でも、みんなそう思ってくれるかどうかはわかりません)。
最大公約数たるところに移るという選択肢も、長い(と思っているがどうだろう)人生の中・長期的な計画では考えています。
けれど、とりあえずは、今いるところを「豊かな暮らし」ができる場所にする、という努力からして行きたいと思います。

UNDPの人間界発指数とは、かけ離れたとりとめのない話になってしまいましたが、一人一人の感じる「豊かさ」が集まって、家族のそして国の豊かさもあるのじゃないかと思いますので、こんな締めでも許してくださいね

参考URL Human Development Report 2005

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このページは、Yoshinori FUKUIが2005年9月 8日 07:31に書いたブログ記事です。

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