日本に戻り暮らし始めてから、サハラ再訪まで

マリ人のトラブル

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昼頃、名古屋の警察から電話がありました。
マリ人が一人、ちょっと問題を起こしているが、意思疎通が十分にできない、という連絡でした。
しかしなぜ我が家に?と不思議に思ったら、マリ人の彼が、他に頼るところがなくて、最後の手段として警察に教えたのが家の電話だったようです。

彼は、私がセントレアに送っていった人とは別に、11日にバンコク経由でマリに帰ったはずでした。
私が送っていったマリ人は、バンコクはトランジットのみで、空港内で乗り換えて、アジスアベバに向かったので問題ありませんでした。
しかしトラブルを起こしたマリ人は、弟がバンコクにいるので、とりあえずバンコクまでのチケットだけしか買わず、タイに入国しようと思ったらしいのですが、タイのビザをとらずに出国しようとして、飛行機に乗せてもらえなかったとのこと。
それから東京に行ってタイのビザをとってきて、本日のバンコク行きのフライトで出国しようとしたそうです。
しかし、フライトスケジュールの変更に費用がかかるのに、彼は全く金がない、何とか無料で今日のフライトに交換してくれと、(西アフリカならこういう無理がきくこともありますから、そんなつもりで)旅行代理店に頼み込んだらしいのですが、あんまりしつこいと警察沙汰になってしまったのでした。

彼はもうほとんど金を持っておらず、とりあえずバンコクに行って、そこで弟に頼るか、マリの家族からマリまで帰るチケットの費用を送ってもらうつもりのようでした。

万博会場や宿舎でちょっと話をした程度の知り合いで、万博後に通訳や仕入れの案内を頼まれて1日大須あたりを案内しましたが、それだけと言えばそれだけの関係です。
今回、旅行代理店や警察と彼の間に入り、フランス語の通訳をするのはやぶさかではないですが、通訳しただけでは解決しない問題です。

そのままでは、今日のフライトに乗れず、家族から生活費やチケットの費用が届くまで、どこかに滞在しなければなりません。
じゃあ何処に???
もう名古屋にマリ人はいないので、他のアフリカ人のところか、我が家に来るしかないでしょう。
路頭に迷いそうなマリ人を放っておくわけにも行きませんが、家で世話してもいつ金が届き、いつ出国できるかわかりません。
旅行代理店の方と電話で話したところ、事情を鑑みて、追加費用は通常の半額の1万140円とのこと。
妻と相談した結果、家に招いても、彼がマリと連絡するスカイプの費用や、家からセントレアに行く交通費など考えると、追加費用の方がずっと安いだろうと、そのお金を出してあげることにしました。
さっそく名古屋に行き、旅行会社に費用を払いました。

こういう時に、謝罪の言葉はぜったいにないだろうな、と予想しながら行きました。
良い悪いじゃなくてそういう文化だと思ってます。
会ったら彼はなんて言うだろうと興味津々でした。
発せられた言葉は
「Je suis très content de te voir(あなたに会えてとても満足だ)」
でした(あとは事情説明というか言い訳)。
「あなたのためだけにきたわけじゃない。マリ人の、それから同じマリ人である妻の名誉のために来たんだ」
と答えておきました。
旅行代理店を出たところで「じゃあ良い旅を」といってあっさりわかれました。
とにかく彼が無事に出国したことを祈っています。

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このページは、Yoshinori FUKUIが2005年11月15日 23:25に書いたブログ記事です。

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