北京から天津に向けて朝6時30分に出発。
車に乗るとすぐに雪が舞い始めた。
雪の中、自転車で仕事に向かう人々の群れ。
ご苦労様。
郊外に出ると、いつの間にか雪はやんでいた。
窓の外の風景を見ていると、懐かしくてホッと落ち着く。
最初、自分でも、その風景の何が懐かしいのかわからなかった。
しばらくして気がついた。
どこまでも続く平らな土地。
その先にあるのは、大地と空を分ける一直線の地平線だ。
地平線の広がる風景を最後に見たのはいつだったろうか。
20年前、ラクダを牽いてサハラ砂漠を横断していた時、目指す先に、そして歩いてきた後ろに地平線が広がっていた。
私にとって地平線のある風景は、あの自分の原点のような旅につながっている。
乾燥した大地、葉を落とした木々。
時折見える、ヒツジたちの群れも一層懐かしさをかき立てる。
いつまでも地平線の見える風景の中を走っていたかった。
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