日本に戻り暮らし始めてから、サハラ再訪まで

女性の割礼

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Plus de 100 villages de l'est du Se´ne´gal abandonnent l'excision

セネガル東部のタンバクンダ州ケドゥグ県の108の村が、先週末、女性の割礼の廃止を宣言したそうです。

引用した記事によれば、セネガル国内13,000の村のうち816か村が女性の割礼廃止を公式に決定しているそうです。
言い換えれば、まだ大多数の村では、それが実施されている可能性が高いということですね。

近年、女性の割礼を Female Genital Mutilation (FGM) ではなく、Female Genital Cutting (FGC) と呼ぶように変わってきたそうです。これは特にアフリカで活動している人たちが、mutilation(切除、不具)という言葉は割礼を受けた女性を貶めている、と主張しているためだそうです。
しかし一方で、現状(の問題の大きさ)を知らしめるためには、やはり FGM と表現すべきという意見もあります。
また、それは異文化の伝統の問題であり、他の文化世界の人間が容易に批判すべきでないという意見もあります。

このように、様々な議論と問題を含む女性の割礼の問題ですが、前述のようにセネガルだけでなくサヘル地域では、国は公式に禁止、しかし実際には以前実施されているという状況が続いてきました。
セネガルでも、政府は1999年に女性の割礼を禁止しました。
しかし、それが非公式には依然実施されていることが欧米諸国から問題視されていました。
そのような中での、108か村の宣言です。
これは、この地域で活動するアメリカ合衆国の NGO Tostan の「強力な支援」で実現したそうです。
この NGO がどこまでこの決定にどこまで、そしてどのように関与したのか、個人的にとても気になります。
地域住民による自発的な決定によって、地域社会が運営され、よりよく変わっていくことが、持続的で健全な発展だとおもうからです。

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コメント(5)

最近授業で初めてFGMについて知りました。

本当にショックでした。

伝統儀式ということで外から口出しすべきことではないという意見があること、禁止の流れがあることも知りました。

それでもアフリカの女性たちのためにも廃止して欲しいと思いました。

女性たちに正しい知識と教育をして彼女たちの手によって伝統をかえていけたらと思いました。

理想ですけれども。

これからもっと勉強していきたいと思いました。

女性の割礼は命にかかわることもあるくらい危険なんですよね。どうして身を危険にさらしてまでそのような儀式にこだわるのか、こだわれるのか。私には村の大人たちが少女を脅迫しているようにも思える。割礼から逃れるために亡命した女性もいたという事実を知った。当の本人たちにとっても、受け入れがたい儀式でありそうだ。  彼らにとってその慣習がどれほど重要なのか私には想像できませんが、その伝統は守っていくことに値するのか、ということを現地の人が話し合う機会をぜひとも提供してあげたい。  chatraさんと同感で、自発的に廃止しなければ、私たちの知らないところでその儀式は行われてゆくと思う。

女性の割礼問題が本当に難しいのは、一般的に思われているような大人たちの側の強制でなく、それを受ける少女たちの側に、それを受けなければ一人前になれない、社会に認められない、受けることが正しい、という意識が依然強くあることだと思います。

またある価値観・文化に対して、別の価値観・文化を持つ持つものが、どうやってコミュニケーションを取るのか、どこまで自分たちの価値観を「奨める」ことができるか、という問題でもあるでしょう。

本当に難しい問題ですよね。

男子の割礼と女子の割礼って、危険性が違うの?まあ、強制じゃないらしいからそんなに問題ではないんだろうけど

男性の割礼は皮膚部分ですから、女性の割礼に比べると、感染症などの危険性は低いと思います。

あくまで相対的な話ですが。

また、衛生的観点などから、男性の包茎手術は欧米や日本でも比較的受け入れられていますね。

乳幼児によく用いられる背面切開法は割礼と施術法が違うけれど、成人に行われる環状切開法は、イスラムやユダヤの割礼と同じやり方だそうです。

十字切開法というのもあるそうですが、どういう手術なんでしょうね。

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このブログ記事について

このページは、Yoshinori FUKUIが2003年4月 3日 23:35に書いたブログ記事です。

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