日本に戻り暮らし始めてから、サハラ再訪まで

患者への対応

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朝起きると娘が耳が痛いと言います。
数日前にも同じことを言っていたので病院に連れて行きました。
市民病院に着くと、今日は休みで当直の先生は外科医なので耳鼻科に回った方がいいでしょうとの指示を受け、別の病院に行きました。
診てもらうとたいしたことはないとのこと。
ひと安心。

それからスーパーに買い物に行きました。
駐車場に車を止めて、外に出たとたん妻の悲鳴が。

急いで車の反対側に回ってみると、妻が手の先から血を滴らせてうめいています。
ドアを閉めるときに指を挟んでしまったとのこと。
出血も多く、いそいで病院に行くことにしました。
朝、娘の件で市民病院には外科医がいることがわかっていましたので、市民病院へ車を走らせました。

ところが市民病院では、外科医は妻に会いもせず、整形外科のある病院に行きなさいとの指示のみ。
受付の看護士が気を使って整形外科のある病院を調べてくれましたが、医師の対応には妻よりも私が驚きました。
当直医なら患者の状況を観察し、せめて止血・消毒をしてから専門医のいる病院へ回してもいいのではないでしょうか。
仕方なく、ティッシュから血が滲む手を押さえている妻をもう一度車に乗せ、整形外科医のいる病院に向かいました。
診てもらうと、右手薬指末節骨(爪のある先端部)骨折でした。

市民病院の外科医の対応は極端な例かもしれませんが、日本に帰ってきて、私自身が不調であちこちの病院に通って、日本の医師とサヘルの医師の患者への接し方の違いについてはいろいろ感じていました。

サヘルでは、医師がドアを開けて患者を診察室に招き入れてくれます。
診察後もドアまで見送ってくれます。
日本の医者は、ずっと座って待っていて、挨拶してもまともな返事が返ってこないこともあります。

サヘルでは、初診の場合、検温、問診、触診に、血圧・体重測定、尿・血液検査までがセットになっていることが多いです。
日本の診察では、触診もなかったり、血圧測定、血液検査もあまりありません。

病状の説明、処方する薬の説明もサヘルの方が詳しいです。
VIDAL(薬の事典)を見せながら説明してくれたりします。

サヘルでは通院後、医師が経過を聞くために電話してきてくれたことも何度かあります。
日本では医師と患者に、そういう人対人のつき合いはまれなのではないでしょうか。

確かに日本は、医療器具、薬、病院と医師数は多く、、いろいろな検査の精度も日本の方がずっと高いと思います。
しかし、日本に来るときに妻が言った
「医療は、日本の方が進んでいるから安心ね」
という言葉に、今は自信を持って頷くことができません。
今回は、専門分野の縦割りの弊害を見た気がします(それともあの医師個人の問題だったのでしょうか)
そして、上で比較したような医師の患者への接し方について、サヘルより日本の方が質が高いといえるのか、今日のできごとでますますわからなくなってしまいました。

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このページは、Yoshinori FUKUIが2003年11月15日 21:02に書いたブログ記事です。

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