日本に戻り暮らし始めてから、サハラ再訪まで

商品知識

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「ミントティー」に均質化の話を書いていて、連想ゲーム的な発想ですが、職人かたぎというか自分の売っているもののことをよく知らない店員さんのいる店が多くなったなあと、日本に帰ってきてから抱いている不満を思い出しました。

たとえば書店。新聞の書評欄に載っていた本を探しに行っても、書名にまったく反応が返ってこないこともよくあります。
店員さん、書評とか「最近出る本」とか全然読んでませんか?

そんなわけで書店には、存在を知らなかったすばらしい本との「偶然の出会い」の楽しみを求めては出かけても、欲しい本を探しに行くことはほとんどなくなってしまいました。
タイトルのわかっている本はたいていオンラインで買っています。

アルバイトの店員さんばかりになっているから仕方がないのかなあ。
本好きの書店員さんが少なくなったのは残念です。

商品知識の少ないのは、書店だけではありません。
スーパーでも、コーンスターチがどこにあるかとか、聞いてもなかなかわからなかったりします。
レンタルビデオショップでもそうです。
タイトルを伝えてもぴんときてもらえません。
検索して探してはもらえますけど。

しかし、記憶に関する部分を少なからず外部記憶装置に依存しているのは自分も同じ。
こんなやり方がさらに進むとどうなるのかちょっと怖い気がします。

そうそう、昨日、文具店でこんなことがありました。
会社の自分の机の前にある背の低いパーティションボードが、ピンを刺すにはあまりに硬いので、ボードの上にフックを書けてそこにコルクボードでもぶら下げようと思いました。
そこで文房具店に行き、
「鴨居に掛けるフックのようなものはありませんか?」
と訊ねました。
最初の店員さんには「鴨居」を説明するのに時間がかかりました。
次の店員さんには、鴨居に掛けるフックというものがあることを説明するのに時間がかかりました。
で、「そういうものはありません」と言われたのですが、
額を売っているあたりを自分で探したらちゃんと売ってました。
はぁ・・・

どの店でも働ける要領のいい人は増えているのかも知れません。
でもこれを売るなら誰にも負けない、という店員さんは減っているのでしょうね。

ワガドゥグのレバノン人の文具屋のおじさんは、自分の店のどこにどんな商品が置いてあるかすべて覚えていたました。
アフリカ関係の書籍がたくさんあるパリのハルマッタンの店員さんは、のぞきに行くと何も言わなくてもサヘル関係の新書の情報を教えてくれます。
オーナーとアルバイトの店員を比べたら、やっぱり不公平ですかね。

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このページは、Yoshinori FUKUIが2004年2月21日 12:06に書いたブログ記事です。

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