日本に戻り暮らし始めてから、サハラ再訪まで

8歳のフィールドワーク

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タイトルは、有名な本のもじりみたいですね(笑)

さて、昨日、愛知万博で娘が行った自由研究について書きました。
しかし思いが充分伝えられなかった気がしますので、もう一度書かせてください。

万博のように、一か所で多くの国の人々と、子供が直接、簡単に話ができる機会はそうあるものではありません。
ですから、愛知万博が始まった時から、この機会を娘のためにうまく使えないか考えていました。
日本で、特に大都市でもない名古屋近郊の小都市に暮らしていると、アフリカの人と出会う機会はまずありません。
一方で、偏見や無知による、アフリカの人々についての心無い言葉はしばしば私たちの耳に入ります。

そこで万博会場で、娘が直接アフリカの人たち話をすることで、娘が自分自身でアフリカの人たちを理解し、判断するきっかけを得られないかと考えました。
日本人の父とマリ人(西アフリカ)の母を持つ娘だからこそ、
1) 周囲の彼女への目や言葉に対して、自分のアイデンティティを具体的に考え自信が持てるように
2) アフリカへの誹謗・中傷に負けない自分の意見を持てるように
愛知万博というめったにない機会を生かしたいと思いました。

料理、遊び、挨拶、服装、女性の髪形、遊牧民の暮らし、日本とマリの天候の比較など、いろいろなアイデアを娘に提示したところ、「アフリカの挨拶」を選びました。
幸い、フランス語圏アフリカ諸国が数多く今回の万博に参加されているので、フランス語がまあまあ話せる娘は、自分で質問ができます。ですから「挨拶」というテーマが扱いやすいと娘は考えたのでしょう。
小学校3年生ですから高度なことは望めませんが、「挨拶」というコミュニケーションの一番始めのことばをきっかけに、アフリカの人たちと話をして、それを通してアフリカの人たちのことを広く知ってくれればと願いました。

テーマが決まり、質問は娘が自分で考えました。
万博会場では、フランス語圏の国々の方たちには、娘自身が質問しました。
英語圏、アラビア語圏などの国の方たちには、基本的に娘が英語で質問し、難しそうなところは私がサポートしました。
テーマの「挨拶」から発展して、いくつ言語があるか、あるいは言語と民族の関係、公用語の定義、教育とは、そして部族や歴史などについて、時間も忙しさも忘れるほどに説明してくださった方々もいらっしゃいました。
しかし小学校3年生には難しすぎるので、それは今回の自由研究にはいれられませんでした。
けれども小学校3年生の質問に真摯に答えてくださったアフリカ諸国の方々から、娘はきっと多くのことを学んだと思います。
対応してくださったアフリカの方々に深く感謝申し上げます。
会場での聞き取りとメモは娘と息子(兄)と妻がしました。
挨拶のリスト作りは、娘と私が自宅で一緒にしました。
結論にあたる「わかったこと」は、娘自身が見つけたことです。
娘の下書きを、私が娘の言葉のままパソコンに入力して作成しました。

内容としてはまったくたいしたものではありませんが、家族が一緒になって調べものをするのは、とても楽しい時間でした。
娘と一緒に「フィールドワーク」や研究をすることなんて夢にも思っていなかったので、私はとても幸せでした。
娘がもう少し大きくなったら、アフリカの人たちに何かフィードバックできる調査をしたいと思います。

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このページは、Yoshinori FUKUIが2005年8月31日 21:57に書いたブログ記事です。

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