2007年6月アーカイブ
残したかったのは写っているものじゃない
その日そこに彼らがいたこと
彼らと過ごした物語
1983年5月、Araouaneの近くにて
友人(左、トゥアレグ)と出会った遊牧民(右、アラブ)
5月はサハラ砂漠の南側の一番暑い季節だ。
砂漠の真ん中で大きな砂嵐に出会った。
毛布を被り、砂に埋まりながらそれに耐えた。
砂嵐が去るとラクダが1頭いなくなっていた。
友人はラクダを探しに出た。
まだ砂漠に慣れていない私は、動かずにじっと彼を待った。
彼は、一晩帰ってこなかった。
翌日の昼近くに戻ってきた彼ほど、人が一度に大量の水が飲めるとは知らなかった。
ラクダは見つからなかった。
近くに遊牧民のテントを見つけた。
一緒に井戸に行き、私たちのラクダにも水を飲ませた。
それから、ふたりで1頭のラクダに乗ってアラウアンに向かった。
いなくなったラクダは、3ヶ月後にアラウアンの近くで発見されトンブクトゥに戻された。
しかし数日後に死んでしまった。
一度、写真を撮ろうと隊商に近づき過ぎて怒られたことがある。
ラクダが怯えて暴れると、ラクダとラクダをつなぐローブが切れたり、大切なラクダに載せた荷物(岩塩の板)が落ちてしまうからだと、後から教えられた。
それ以来、隊商の写真を撮る時は、迷惑をかけぬよう気をつけている。
明日、明後日は京都へ。
京都には1996年から2002年まで住んでいた。
と言ってもその間にマリやブルキナファソに3年半ほどいたので、実質暮らしていたのは2年ほどだろうか。
それも家と研究室の往復ばかりだった。
しかし、娘が生まれた義母も訪れた京都は、とても思い出深い土地だ。
妻も、
「京都の夏はアフリカの夏より暑い」
と言いつつも京都の街並みや自然をとても気に入っていた。
私たちの一番のお気に入りは、嵐山の渡月橋だった。
大きく開いた空間がとても気持ちよかった。
ふたりともニジェール川を思い出していたのかも知れない。
明日の午後は、例の会 京都大会に参加させていただく。
「懐かしい京都」をどれくらい切取れるだろうか。
残念ながら明日は雨らしい。
どうか、雨でM8が壊れないように!
折角の京都を、少しでも長く味わうためにパソコンは持って行かない。
京都の写真は日曜日の夜か、月曜日の夜アップ予定。
追記(2007.06.09)
本日の装備
M8 + C Sonnar T * 1.5/50 (6Bit code 自作、UV/IRフィルター付)
R-D1s + COLOR SKOPAR 21mm F4 P
Summicron f2/35mm (6Bit code 自作、UV/IRフィルター付)
NOCTILUX-M f1/50mm (6Bit code)
DOMKE F-6BB
雨対策
ジャケットとカメラバッグに防水スプレー
7月14日、三重県の白子というところでサハラ砂漠の遊牧民の話をさせていただく。砂漠から持ってきたいろいろな品物や写真をお見せしながら遊牧民の暮らしを紹介する。
その後はケニアのダンス。
そして妻のマリ料理とタンザニア料理を食べながらの交流会。
フェアートレードコーナーもあり、マリ人たちがわが家に預けて行った品物も安く売らせていただく。お近くの方は、気軽にどうぞ。
(6月8日に書いた記事だが7月9日までトップに固定)
かつて暮らした町には
今と思い出の
ふたつの時間が流れていた
今回京都でやりたいことが3つあった。
土曜日の午前中にそのひとつを済ませた。
昼からは「例の会」に参加させていただいた。
そして、日曜日は思い出の場所を訪ねた。