砂丘の上、星空の下 > 2006〜2008 > 2006年8月アーカイブ
朝5時19分空にはまだ星々が瞬いている
星空の下で目が覚める心地よさ
遊牧民は町にいても家畜を売って立派な家を建てても家の中では暮らさない眠らない
暮らしはいつも大空の天蓋の下
彼は亡くなった母の甥
子供たちを除くと今生きている者たちの中で彼が一番母に近い親類
「よく面倒を見てくれた」と言われるがしてあげられなかった後悔ばかり思い出される
外はサハラの熱風と砂塵
ゴザ1枚が壁の家は熱のこもる日干し煉瓦やセメントブロックの家よりも砂漠の厳しさを和らげてくれる
布1枚で入り口からの風も防げる夕べにはそれを外し心地よい風を招き入れる
子供たちの瞳がまっすぐに私を見つめる
曇りなく輝く瞳が私に問いかける
何してるの?毎日楽しい?
それは私に生き方を問うている
男の瞳は水面に映える日の光のよう
厳しく柔らかくキラキラと移り変わる
嬉しさが困惑が瞳に光る
悪戯っぽく目を細め何を言うんだい?
お気に入りの場所で子供たちの輪に入り娘に少し笑顔が戻った
朝5時45分。砂漠の1日が始る。
家畜と砂と愛する家族に囲まれた暮らし
遊牧民は家畜を決して愛玩動物のように扱わない主従関係は揺るぎない
しかし家畜に注ぐ愛情もまた限りない
遊牧民と家畜には言葉以上の繋がりがある
男は乳を搾る女はそれからヨーグルトを作る
男も女も自分の仕事に迷いはない
子どもたちはそんな父と母の誇りを見て育つ
父、母兄姉いとこたち祖父、祖母おじ、おばみんなの大きく温かい愛情の中で子どもたちは育つ
物はとても少ないけれど大切な気持ちは砂漠の砂より多く溢れている
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