私のサヘル・サハラとの付き合いは、冒険心という原点で書いたようにラクダでサハラ砂漠を横断したいという冒険心から始まりました。
でも、突然サハラに出かけてラクダを買ってサハラに乗り出すのは、初めてボートに乗ったその日に太平洋横断をしたり、登山用具を買ったばかりでアイガー北壁に挑むような無謀な行為です。
決心してから、アラビア語を学び、体力をつけ、現地の生活の知識を書物から学び、航海の技術を習得し、現地を2度訪れました。
故植村直巳さんにもお会いしました。故上温湯隆さんを西アフリカで世話した時事通信の長沼節夫さんにもお会いしました。私の前にサヘルでラクダの旅に挑戦した人たち、遊牧民と暮らした人たちからも話を伺いました。
そんな準備に大学の4年間を費やしました(おい)。
それからサヘルに入り、1年間遊牧民に弟子入りし、テントに住み込み、同じものを食べ、同じ服を着て、ラクダの扱い方、どうやって逃げたラクダを探し捕まえるか、ラクダが病気になったらどうするか、トゥアレグの言葉、砂漠の生活などを学びました。